《鹿鼎记》1992 の直後には
《鹿鼎记Ⅱ神龙教》1992
が公開されています。
この映画が、《鹿鼎记》1992 と同時に撮影してしまい二部作としたのか、あるいは《鹿鼎记》1992 のヒットを受けて急遽製作されたのかどうか、ネットであれこれ調べてみたのですが、よくわかりませんでした。
《鹿鼎记Ⅱ神龙教》1992 は、タイトル通りストーリーの焦点を神龙教にあてるわけですが、ストーリーの展開は、原作(を読んだことがあるわけではありませんが)にも、梁朝伟版《鹿鼎记》1984 にもこだわっていません。
《鹿鼎记》1992 は、梁朝伟版《鹿鼎记》1984 のパロディを目指しつつ、ラストでは“重阳”というキーワードを出して、一応は金庸にオマージュを捧げていたと思います。
《鹿鼎记Ⅱ神龙教》1992 が目指すのは、金庸ドラマすべてに対するパロディというかオマージュというか、そんなものです。
この映画は、数々の功績をあげ大金持ちになった小宝が、丽春院に帰っておねえさんにそのことを報告するところからはじまります。ここで、小宝はいきなり阿珂と阿琪に襲われます。
このとき、小宝は阿珂にこんなセリフを言います。
“到了现在这个地步,我没办法不表达我真正的身份,其实我就是射雕英雄的传人,东方不败(百度百科 日本語ウィキペディア)的师傅--西方失败。”
阿珂と阿琪とは、明朝最後の皇帝の公主--阿九の弟子です。《碧血剑》では阿九は出家して九难と名乗りますが、ここでは獨臂神尼という名前です。
こういうことは書いてはいけないのかもしれませんが、《鹿鼎记》1992 の假太后とは、神龙教の圣女であり、なんとこの映画では圣女が神龙教女教主になってしまいます。で、この子の名前がなんというかいうと--龙儿です。
林青霞(ブリジット・リン)が演じる龙儿は、白装束に身をかため、どこまでも長く伸びる袖や裾を自由にあやつり、空中を飛び交います。
大陸版テレビドラマ《神雕侠侣 2006》を見た人が、この龙儿を見ると、これって《神雕侠侣 2006》のパロディではないかと錯覚してしまいそうになることでしょう。
アクション監督は前作に続いて程小东ですが、この龙儿の造形は、彼を香港の木村威夫と言ってしまいたくなります。
こういうことは書いてはいけないのかもしれませんが、やけになった小宝が“四十二章经”を燃やしてしまうと、なんと浮かび上がってきた文字とは--映画の冒頭のセリフで予告されていたように--“东方不败(東方不敗)”です。
こうして、小宝は“葵花kuíhuā宝典”の術を得ることになります。本来、葵花宝典(百度百科 日本語ウィキペディア)を身につけるためには“自宫”しないといけないわけで、《笑傲江湖》では岳不群と林平之が自宫して葵花宝典の術を獲得します。
“自宫”とはなんでしょう? 司马迁(司馬遷)が友人をかばったために受けた刑が“宮刑”(百度百科 日本語ウィキペディア)です。人間の身体における“宫”とは、もっとも大事な部分を指すようです。小宝は自宫と無縁なわけですが、元宦官だったため、葵花宝典を手に入れられたのかもしれません。
金庸パロディとは関係ありませんが、この映画の有名なギャグの1つが“有间客栈”(客栈kèzhàn:簡易旅館)です。小宝は阿九=九难=獨臂神尼の弟子になるわけですが、小宝は獨臂神尼にこんなセリフを言います。
“师傅,前面有间客栈哦!”
すると、獨臂神尼の目の前には“有间客栈”という看板のかかった旅館があります。
鹿鼎记 2 (1992) Cantonese Full Movie
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