2014年7月21日月曜日

急冻奇侠 1989|泣くな! 甄子丹 2



元彪张曼玉が主演する、穿越(タイムトリップ)ものの映画を見ました。

急冻奇侠 1989

元彪は明朝の锦衣卫で、悪党である師兄と闘っているときに悪党とともにタイムトリップしてしまい、二人の闘いは雪山の中でなおも続くのですが、二人とも崖の下に落ちてしまいます。

それから何年経ったのか定かではありませんが、氷に閉じ込められた二人が発見されます。アメリカに運んで、専門家に調べてもらうことになるのですが、凍ったままの二人は香港で盗まれてしまい、なんと復活してしまいます。


この映画は、アメリカ映画 《两世奇人Time After Time)》 1979 の発想をパクっているそうです。

こっちがどんな映画なのかというと、切り裂きジャックが、H.G.ウェルズが発明したタイムマシンで現代のロンドンに逃げてしまい、H.G.ウェルズも現代のロンドンに行きます。

IMDbのジャンル分けを見ると、Adventure | Comedy | Drama となっているように、これは喜劇でもあるのです。

H.G.ウェルズが現代人の女の子と恋するのですが、そのあれこれがコメディなのでしょう。

《急冻奇侠》 では、元彪は娼婦の张曼玉と知り合いになり、张曼玉の家に居候しながら、张曼玉のお仕事の手伝いをさせられます。お仕事といっても、ただの美人局ですが。

電灯ってなんだ? 自動車ってなんだ? クリスマスってなんだ? 湯沸し器ってなんだ? 鶏ってなんだ? 拳銃ってなんだ……とあれこれ、お笑いが展開するわけですが、ちょっとテンポがのろまな感じです。

元彪は崇祯5年からやって来たのですが、テレビのドラマだか映画だかを見て、明朝の滅亡を知ります。元彪が見たのは、香港TVBの 《碧血剑》 1985 でしょうか?

2時間近くある映画なのですが、90分の映画に仕立てらよかったのにねと思います。

なお、この映画は「タイム・ソルジャーズ/愛は時空を超えて」というタイトルで、日本で公開されただか、ビデオが発売されただかされているようです。


なんでこんなことを書いているのかというと、今年(2014年)4月25日に

冰封:重生之门 2014

が公開されたからです。


これはほぼ 《急冻奇侠》 のリメークと言っていい作品で、主演は甄子丹黄圣依です。PART2である

冰封:永恒之门 2014

も、すでにクランクアップしていて、こっちは11月公開予定のようです。

大闹天宫》 も評判はすこぶる悪かったわけですが、こっちはもっと最低です。このペースで行くと、甄子丹は来年の “金扫帚奖”(中国ごみ映画大賞)を総ざらいしてしまう勢いです。

《冰封:重生之门》 を見なければならない理由は、甄子丹を笑いたいからではありません。もちろん、黄圣依が見たかったからです。


轩辕剑
轩辕剑》 2012 の放映直前、すわ放送中止かという噂が流れました。この頃、テレビドラマと映画に対するあれこれの規制が追加されたからです。その1つに “ネットゲームが原作のドラマはダメ” というのがあったからです。

ヒロインが刘诗诗なので、《轩辕剑》 の失敗ははじめから明らかだったのですが、そのとおりになりました。

回到三国
また、“歴史ドラマにおける歴史の改変はダメ” というのがあって、これは実質的に穿越(タイムトリップ)もの禁止ということです。ちょうど 《轩辕剑》 の放映期間と重なっていたのが、香港の穿越もの 《回到三国》 2012 でした。

これは機会があれば見てください。香港伝統のお気軽なドラマを楽しめます。

《轩辕剑》 と 《回到三国》 は審査が通っていたので放映は許されたのでしょうが、それ以来ネットゲームものドラマ、穿越ものドラマは作られていません。

(大陸の事情と香港の事情がどう違うのか、お互いどうやって映画やドラマを流通しているのかは、よく知りません)

《冰封》 はどうやって時間を飛び越えるのでしょうか? 《急冻奇侠》 見るとわかるのですが、穿越しなくても単に凍ってしまったまま時が経てば、時間を超えられるということなのでしょう。帰ることはできないと思うのですが……。

え? 7月2日放映開始の 《古剑奇谭》 は、ゲームが原作ではないのかって。ゲームが原作ですが、ネットゲームが原作ではありません。

最近では韓国のテレビドラマ 《来自星星的你》 が大ヒットしてしまったので、宇宙人が出るドラマは禁止になったようです。

急冻奇侠 - Iceman Cometh

冰封:重生之门 2014|泣くな! 甄子丹3、あるいは黄圣依について



もしかしたら、日本のネットで周星驰に文句を言い続けているのは、ぼくだけかもしれません。あるいは、日本においては、誰もが周星驰なんて忘れさってしまったのかもしれません。

日本の映画配給会社は、ろくでもない中国映画しか配給しません。つまらない映画が好きなのでしょう。そういうわけでかどうかは知りませんが、周星驰の昨年(2013)の話題作 《西游·降魔篇》 2013 を配給する気配はまったくないようです。

--と書いたら周星驰が日本に来ちゃったそうです(2014年7月)。もちろん、 《西游·降魔篇》  の宣伝でしょう。

周星驰の 《功夫》 2004 は、評価してもいいようには思います。刘镇伟は 《越光宝盒》 2010 において、さかんに 《功夫》
のパロディを繰り出していました。

大陸から赵薇を引っ張ってきて、大ヒットしたのが 《少林足球》 2001 です。それまでの周星驰映画で、あちこちでちらほらと見え隠れしていた周星驰のろくでもなさが集
大成された映画でした。

この夏(2014) 3D版 《功夫》 が公開されているだか、公開されるだかという話はあるのですが、本当かどうかはわかりません。

あるいは周星驰が 《功夫2》 を作るという話は、ずっと前からあるのですが、これも本当かどうかはわかりません。


《功夫》 で、周星驰が、赵薇に引き続き大陸から引っ張ってきたのが黄圣依です。

さすがの周星驰も赵薇には手を出さなかったように思いますが、黄圣依は周星驰の毒牙にかかってしまったことでしょう。

こうして、女優 “黄圣依” が誕生します。

ぼくたちにとっての黄圣依とは、 《功夫》 の黄圣依というよりは 《碧血剑》  2007 の黄圣依と言ったほうがわかりやすいように思います。

《碧血剑》 2007 は、金庸ドラマにしては緊迫感のない気の抜けたドラマです。たぶん、原作もそうなのでしょう。気の抜けた感を楽しもうと思えば、けっこう楽しめるドラマで、ぼくはけっこう好きです。

ぼくは縦長の長方形顔の女の子は無条件で好きなので、もちろん黄圣依はとっても好きです。ただし、黄圣依は人気も知名度もあるのですが、作品的には決定打がありません。

このブログでは 《碧血剑》 以外では、黄圣依が出ている映画として、こんなのを見ています。

出水芙蓉 2007
白蛇传说 2011

《白蛇传说》 は李连杰との共演で、日本でも公開され、なんの話題にもならなかったように思います。李连杰の映画といえば、ろくでもない映画しかないわけで、この映画もそうでした。

《出水芙蓉》 については、ちょっと注目してください。日本でも

东西成就(大英雄) 1993

という映画が好きな人は、けっこういるように思われます。この映画の冒頭で、林青霞は “大海無量” という技を繰り出すわけですが、この 《出水芙蓉》 では“大海無量” が復活します。


ぼくは、あのガマガエル顔な甄子丹について、何かを積極的に語りたいと思ったことは一度もありません。このブログでは、最近ではこんな甄子丹ものを見ています。

特殊身份 2013 -- 突っ込みどころもないガマガエルな甄子丹
大闹天宫 2014 -- 泣くな! 甄子丹

どちらも悲惨でした。しかし、この 《冰封:重生之门》 は、さらに悲惨がとんでもありません。この映画は、

急冻奇侠 1989

がオリジナルです。明朝最後の皇帝、崇禎の時代から物語は始まります。

あれこれチャーミングな映画だったと思います。そういったあれこれのチャーミングさは、この 《冰封:重生之门》 ではまったく表現されていません。

《碧血剑》 も、崇禎時代の物語でした。《冰封:重生之门》 では、そういった背景はまったく不明です。

このろくでもない映画の中で、ぼくは1つだけ気に入ったシーンがあります。甄子丹が、馬運車に乗っていた白馬に乗って疾駆するところです。

Iceman 冰封俠: 重生之门 Official Trailer


萧敬腾 冰封 《电影冰封侠:重生之门》中文主题曲


【Eng.sub】 Donnie Yen BTS: ICEMAN 3D #1/3 Rooftop fight 冰封:重生之門花絮

2014年7月13日日曜日

宮 パレス~時をかける宮女~(宮鎖心玉 2011)|杨幂、その後の軌跡


宮 パレス~時をかける宮女~DATVで7/17スタート♪


ということで、最近(2014年7月はじめ)3年ぶりに

宮(宮鎖心玉) 2011

を見返してみました。このブログを書き出したきっかけがこの 《宮》 だったので、わりとなつかしかったです。ぼくは、やっぱりこのドラマが好きです。


《宮》 の大ヒットで、大プロデューサー兼シナリオライターになったのが于正、超人気女優になったのが杨幂です。

《宮》 以降の于正ドラマは、このブログではこんなのを扱ってきました。

宫锁珠帘(宮2) 2012
新笑傲江湖 2013
王的女人 2013
宫锁连城(宫3) 2014

ぼくたちは、于正が手がける、昨年(2013年)とっくに撮影の終わっているはずの 《新神雕侠侣》 を早く見たいわけですが、どうやら放映されるのは来年(2015年)のようです。


それはそれとして、ここでは杨幂の 《宮》 以降の超売れっ子な活動を振り返ってみましょう。

《宮》 までの杨幂については、こっちを見てください。

宮鎖心玉 2011|やな女 !! 杨幂

杨幂の八卦(噂話)というのは「この夏、マスクをずっとしているのは、整形したあごが崩れてしまったからだ」とか「杨幂の足は臭い」とか、ちょっとお下品ふうなものばかりでした。

如意
しかし、2012年のはじめ、杨幂は刘恺威との恋愛を新浪微博に投稿します。みんなは、どうせまた宣伝がらみの八卦だろうと思いました。なぜなら、もうすぐ杨幂と刘恺威が主演するテレビドラマが放映されるころだったからです。

如意 2012/1

ぼくもそうであってほしいと願ったのですが、本人たちがあっさり認めてしまいます。以後、バラエティ番組とかインタビュー番組などで、杨幂と刘恺威のハッピーぶりはさかんに報道されました。

《超级访问》20130520 刘恺威对杨幂一见钟情 杨幂自曝讨婆婆开心


二人がはじめて会ったのは、2010年7月、横店だったと言っています。横店影视城というのがあって、古装戏(時代劇)はここで撮影されます。ここはまた、人気の観光地でもあります。

杨幂と刘恺威は、2013年にもテレビドラマで共演しています。

盛夏晚晴天 2013/4

そのほか、杨幂はこんなドラマに出ています。これらは、《宮》 以前から企画・撮影などが進行していたものでしょう。

命运交响曲 2011/10
我们是一家人 2012/1
北京爱情故事 2012/1


春娇与志明
そんなわけで 《宮》 以降の杨幂は、活動の場を主に映画に置き、ろくでもない映画に出まくります。

孤岛惊魂 2011/7
八星抱喜 2012/1
新天生一对 2012/1
春娇与志明 2012/3
画皮Ⅱ 2012/6
跑出一片天 2012/6
大武当之天地密码 2012/7
hold住爱 2012/8
消失的子弹 2012/8
三个未婚妈妈 2012/10
玛德2号 2013/8

こんな短期間に、こんなたくさんの映画に主演できるわけはありません。杨幂主演と呼べる映画は 《孤岛惊魂》 を除くと、《大武当(大武当之天地密码)》 と 《hold住爱》 です。とりわけ恋人である刘恺威と共演した《hold住爱》 は、とんでもなく最低でした。


小时代
いったい、杨幂はどうなってしまうのか?誰もが心配したのですが

小时代 2013/6

が大ヒットします。これは郭敬明という人の小説が原作で、この青春小説は現代中国の女の子たちに大受けしました。映画版は、郭敬明自身がシナリオを書き、監督もしています。

小説も映画もどんな女の子に受けたのかというと、“わたしって、いい女” と思っているというか、そう願う女の子たちに受けたように思います。

実際のところ、多くの中国の女の子たちは、こんなちゃらちゃらした小説とか映画なんて、なんの興味もありません。

そういう問題はともかく、杨幂の映画が大ヒットしたというのは、とてもいいことだと思います。小説が三部作なので、映画も三部作です。

小时代2(小时代:青木时代) 2013/8
小时代3 2014/7


2013年11月13日、杨幂は新浪微博に、こんな投稿をポストします。


事情就是这样的大家可以来祝福喽@刘恺威
(こういうわけよ。みんなに祝福してもらえるようになったわ)

つまりは結婚発表です。こうして、杨幂と刘恺威は今年(2014年)1月8日、バリ島で結婚式をあげました。

娱乐播报 杨幂刘恺威大婚拥吻落泪 新郎许下爱的承诺 140108


超有名な芸能人が結婚式をあげた場合、たいていは直後に妊娠が発表されます。もちろん、杨幂の場合もそうでした。

こうして6月1日、国際子供の日(国际儿童节)に杨幂は女の子を出産しました。

杨幂はインタビューに答えて、計画して儿童节に出産したわけではないと言っていました。二人の娘の幼名は、小糯nuò米(もち米)です。


分手大师
さて、現在(2014年7月)杨幂の出演作品がどんなことになっているのかというと、大変なことになっています。

孙俪が子供を出産し、あれこれ話題になった後 《甄嬛传》 の放映が開始され、超大ヒットになりました。杨幂陣営は、この作戦を踏襲したように思います。

映画:分手大师 2014年6月27日公開
テレビドラマ:古剑奇谭 2014年7月2日放映開始
映画:小时代3 2014年7月17日公開
テレビドラマ:微时代 2014年7月21日放映開始

《小时代3》 についてはすでに紹介しましたが、わあ 《宮》 の日本放映開始と同じ日に公開です。

杨幂は 《宮》 以降のドタバタな活動の中で、“いくら有名ではあっても、このままでは自分は三流女優になってしまう” とか、あれこれ悩んだことでしょう。

昨年(2013年)杨幂は、杨幂工作室を作りました。今後は女優だけではなく、プロデュースも手がけるわけです。どんな作品を作るべきなのか、どんな作品に出るべきなのか、きちんと考えるべきだということだと思います。

古剑奇谭
杨幂工作室が制作にも参加する第一弾が、《微时代》 です。杨幂は現代劇に出ると、ただのきれいなおねえさんになってしまいます。

ちょっと心配ですが、ちょっとは見てみるつもりです……。

杨幂がやっと古装戏に戻ってきた 《古剑奇谭》 は、他のドラマを圧倒的に突き放して独走中です。水曜と木曜に2集ずつの放映のため、現在(7月13日)第8集まで放映されているので、そこまで見たら、何か記事を書いてみましょう。

《分手大师》 はヒットしたお芝居の映画版で、孙俪のだんな邓超との共演です。邓超は、共同監督にもチャレンジしています。国産映画の中では、ほぼトップにつけています。いずれ見てみましょう。

《分手大师》 は喜劇です。ろくでもない作品に出まくっていた杨幂に欠けていたのはお笑いです。ただのきれいなおねえさんから、お笑いでこそ輝く杨幂に脱皮できたのかどうか、そこが見所でしょう。

そんなわけで、孙俪は孙俪として、柳岩は柳岩として出演しているようです。