2016年2月11日木曜日

青丘狐传说 2016|上海唐人を凋落させた刘诗诗、あるいは胡歌の復活



今年(2016年)の春节は、久しぶりに上海唐人(上海唐人电影制作有限公司)のドラマが話題を独占しそうです。今年の2月8日から放送が始まった聊斋志异(聊斎志異)ものドラマが、

青丘狐传说 2016

です。今(2016年2月11日)、百度のテレビドラマ人気ランキングでは、この 《青丘狐传说》 がトップです。そして、土曜日の13日から人気トップになることが確定しているのが、やはり上海唐人制作で、霍建华刘诗诗が主演するこのドラマです。

女医·明妃传 2016

上海唐人は 《步步惊心》 2011 が大ヒットした以降、すなわち  《轩辕剑之天之痕》 2012(胡歌,刘诗诗,唐嫣+新メンバーの古力娜扎蒋劲夫)で大失敗した後、パワーのあるドラマが皆無でした。

上海唐人と言えば、今でも代表作は 《仙剑奇侠传》 2005 と 《仙剑奇侠传三》 2010 だと思います。《仙剑奇侠传》 2005 は胡歌、刘亦菲安以轩、《仙剑奇侠传三》 2010 は胡歌,杨幂,霍建华,唐嫣という豪華メンバーでした。


轩辕剑》 2011
なんで、《轩辕剑》 が失敗したのかというと、理由は2つあります。

1つは、上海唐人が刘诗诗に幻想を抱きすぎたことです。顔がブスなのはともかく、姉御はだふうのワンパターン演技が臭すぎて、これだけでドラマはパワーを失ってしまいます。

ただし、やはり上海唐人の 《风中奇缘(風中の縁)》 2014 では、だいぶ臭みが抜けていたように思います。あるいは日本映画 《真夜中の五分前(深夜前的五分钟)》 は、シナリオがバツなのはともかく、刘诗诗のブス隠しだけに腐心した駄作でした。

上海唐人が凋落したもう1つの理由が、胡歌のイメチェン作戦です。《仙剑》 シリーズでの胡歌は、ちょっと情けないけど、なんだかんだ危機を乗り切ってしまう軽いタイプの2枚目でした。したがって、演技だって日常の自分自身で良かったわけです。


《琅琊榜》 2015
つまり、上海唐人の凋落と胡歌の凋落は 《轩辕剑》 の失敗と同時に始まったわけです。しかし、胡歌は昨年(2015年)、2つのテレビドラマで(上海唐人とはなんの関係もなく)復活しました。

伪装者 2015(8月31日放映開始)
琅琊榜 2015(9月19日放映開始)

昨年(2015年)の後半、百度などを覗くと 胡歌の “不靠脸,靠实力(顔に頼らず実力で勝負)” という広告をしょっちゅう目にしました。胡歌のイメチェン作戦とは、そういう意味だったわけです。

すなわち 《轩辕剑》 とは、“胡歌のイメチェン作戦+刘诗诗を大女優に!” という2つの目的があったわけですが、どちらもなんの成果もなく惨敗したということになります。

胡歌は実力派の役者として復活しましたが、上海唐人の復活作戦は成功するのでしょうか? そんなことは、ぼくには関係ありません。


聊斋志异ものドラマは、もちろん原作は 《聊斋志异》 なわけですが、だいたいは40集くらいで、一話5~7集、全部で六話くらいで構成されます。

たぶん、最初に聊斋志异ドラマを思いついたのは、香港TVBあたりでしょうか。

大陸のドラマ制作会社も、ネタに困ると聊斋志异ドラマを作るのでしょう。現在(2016年2月)大したドラマがないとはいえ、《青丘狐传说》 が人気になるのは、中国人の聊斋志异ドラマ好きを良く表しています。

香港映画 《倩女幽魂(チャイニーズ・ゴースト・ストーリー)》 は最後は悲劇ですが、原作の 《聊斋志异》 のこのエピソードは、なかなかのハッピーエンドです。

聊斋志异ドラマもけっこう軽いので、気楽に見られるので人気になるのでしょう。

上海唐人だって、《新聊斋志异》 2005、《聊斋奇女子》 2008 という聊斋志异ドラマを作っています。とりわけ、《新聊斋志异》 では、今では考えられない豪華メンバーでした。

胡歌と杨幂の 《小倩》
《小翠》 というエピソードには李冰冰、《陆判》 には黄晓明が出ています。

そして、《倩女幽魂》 の原作と同じ題材である 《小倩》 で、書生と亡霊を演じているのは胡歌と杨幂です。杨幂も出ている黄晓明と刘亦菲の 《神雕侠侣》 2006 と同時期なので、杨幂のあごはまだ細くありません。

そんなわけで聊斋志异ドラマとは、出ている側にとっては大スターへの登竜門であり、見る側からすれば将来の大スターをいち早く発見する場でもあるわけです。


《青丘狐传说》 はナレーションとイラストで、女娲は灵狐を四大神兽のひとつに格上げしてあげて、その後、西周の戦いにおいて、殷の纣王を堕落させるために灵狐を地上に派遣したことから語り始めます。つまり、灵狐が妲己だったというわけです。

ドラマとは直接に関係のない女娲を持ち出す必然性はないのですが、西周と殷の戦いを描く 《封神演义(封神榜)》 は、中国人ならば誰でも知っています。女娲を持ち出すだけで、ドラマの必然性が生まれます。

范冰冰の 《封神榜》 2006
《封神榜》 は、何度もドラマになっています。日本でも、范冰冰が妲己を演じた 《封神榜》 のDVDは今でもレンタルできるように思います。ただし、Part2には范冰冰は出ていなくて、日本で入手できるのかどうかは知りません。

封神榜之凤鸣岐山》 2006
封神榜之武王伐纣》 2009

女娲あるいは 《封神榜》 で活躍するヒーローたちは、大陸のテレビドラマを見る際の基礎知識でもあります。《仙剑》 シリーズでも、女娲は重要な役割を担っていました(刘亦菲のヘビ女は必見です)。


ところが、妲己(灵狐)は纣王とラブラブになってしまい、妲己は纣王をあやつって西周に敵対します。これに怒った女娲は、狐の妖族をすべて青丘に追放してしまいます。狐の妖族一族の仕事は、青丘で500年に一度、果実をつける魅树という樹木の保守管理です。

青丘という場所は、苏州工业园区にある地域なのですが、何かと九尾狐と縁のある場所のようです。

そんなわけで、《青丘狐传说》 では、青丘に住んでいる狐の妖たちの6つの物語が描かれます。もちろん、胡歌も刘诗诗も出ていません。メインとなるエピソードであろう 《恒娘》 の主役は、古力娜扎と蒋劲夫です。

最後に、このドラマで描かれる6つのエピソードを、簡単に紹介しておきます。

《阿绣》
《阿绣》
狐の妖である花月と人間世界の女子である阿绣の物語で、この二人と刘子固という男をめぐって、あれこれの事件が起きていくようです。

《封三娘》
狐の妖である三娘は、悪名高い孟家の人々を懲らしめようと孟家に乗り込みます。ところが、孟家の悪名とは実は……
そんな物語のようです。

《婴宁》
狐の妖である婴宁は、天真爛漫な女の子です。そんな彼女が、服家と王家のごたごたに巻き込まれていくようです。

《胡四相公》
狐の妖である胡四、強力な法力を持っています。ところが酒好きなため、富家のお坊ちゃま张生と遊んでばかりいます。ところが……何かが起きるのでしょう。

《恒娘》
《长亭》
石太璞は妖怪ハンターで、狐の妖を駆除しています。ところが、この石太璞と狐族の長老の娘の縁談が……みたいな話のようです。

《恒娘》
九尾狐が化けている恒娘(古力娜扎)は、お隣りに住む夫婦の仲をどうのこうの……というお話です。

この 《恒娘》 についてというか、古力娜扎については、こっちの記事にまとめておきました。

青丘狐传说之恒娘|古力娜扎にトップ女優へのロードマップはあるのか?

《青丘狐传说》MV:郁可唯婉转献声《问明月》


《青丘狐传说》4分钟片花 娜扎 蒋劲夫


《青丘狐传说》曝终极预告片|聊斋志异

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