2012年4月4日水曜日

甄嬛传(宮廷の諍い女) 2011|第31集~第35集|仮面(差異と反復)


ラベル“甄嬛传” 14

なんだかんだ言いながら、全76集の半分近くにたどりつきました。

雍正帝の在位は1722年12月27日 - 1735年10月8日で、たった13年くらいのことです。したがって、《甄嬛传》も13年くらいか、あるいは13+アルファくらいの年月の物語に思われます。

しかし、第35集にいたっても、雍正即位後、まだ3年目です。そろそろ物語が急展開していくのかもしれません。

これまでの甄嬛は、慎み深い天然の少女でした。これこそ孙俪ファンが彼女を形容するとき、“纯洁” “清纯” “清新纯粹”などと呼びたくなるイメージなのでしょう。単純に言えば、気持ちがまるごと言動に現れるということです。

だから、インタビューやトーク番組の孙俪は、特に美人ではないけれど、まあまあきれいな普通のおねえさんみたいに見えます。さて、実際の孙俪とは別に、ドラマの甄嬛は、いよいよ仮面をかぶります。

小産(流産)した甄嬛は、憔悴してしまいます。しかも、安陵容の暗躍で、皇帝に対して疑惑を抱いてしまいます。

しかし、眉庄の助言で、自分のためにも家族のためにも、後宮で生き抜いていかなくちゃいけないことを自覚します。

このとき、眉庄は甄嬛に冷宮の実態を見せます。ここで、ぼくたちは狂った丽嫔に久しぶりに会えます。

こうして、甄嬛は、ついに仮面をかぶることを決意します。でも、それはまだ、薄絹のヴェールで作られたような、本物の顔が透けて見えてしまうようなヤワな仮面にすぎません。

皇后の、華妃と甄嬛を失寵させて、皇帝に子飼いの安陵容を寵愛させる作戦はだいたい成功したわけですが、甄嬛の反撃がはじまります。

甄嬛は皇帝を誘惑するため、真冬に蝶を集めさせる作戦に出ます。

再び皇帝の寵愛を獲得した甄嬛は、皇帝と安陵容と同席しているとき、皇帝にじゃれあうのを安陵容に見せつけながら、“あら、安陵容が嫉妬してるみたいだわ”とまで言います。

甄嬛が失寵していた時期、齐妃と富察贵人に屈辱を受けるのですが、復活した甄嬛は富察贵人と曹贵人を前にして、漢帝国の始祖・高祖の妻である吕后のエピソードを語って脅し、富察贵人を恐怖で震撼させます(吕后については、《甄嬛传 第26集~第30集 -ルサンチマン》参照)。さらには、曹贵人から年羹尧と敦亲王(汝南王)一派の不正も聞き出します。

ついには、富察贵人は恐怖で狂ってしまいす。これで甄嬛は、二人の後妃を発狂させたことになります。

敦亲王の文官投打事件については、甄嬛たち後宮のメンバーとか皇帝のセリフだけで語られるため、わかりずらいのですが、甄嬛は、華妃というよりも年羹尧に闘いを挑んでいくのかもしれません。

あと、眉庄の温实初に対する恋心にも注目しておきたいと思います。皇帝の寵愛をあきらめた眉庄は、太后に近づいて生きる道を探します。

なお、果郡王が甄嬛を慰めるために笛を吹く曲は、《长相思》です。《长相思》というタイトルの詩は多くの詩人が詩作しているみたいですが、これは、李白の《长相思》に曲がついたもののようです。

《长相思》 李白

长相思,在长安。
络纬秋啼金井阑,微霜凄凄簟色寒。
孤灯不明思欲绝,卷帷望月空长叹。
美人如花隔云端。
上有青冥之长天,下有渌水之波澜。
天长地远魂飞苦,梦魂不到关山难。
长相思,摧心肝。


ラベル《甄嬛传》 --目次

 1 后宫・甄嬛传 2011(1)--最後の孙俪(スン・リー)
 2 后宫・甄嬛传 2011(2) --登場人物と役者
 3 后宫・甄嬛传 2011(3) --清朝後宮のしくみ
 4 后宫・甄嬛传 2011(4) --孙俪传(スン・リー伝)
 5 后宫・甄嬛传 2011(5) --名セリフ集1
 6 后宫・甄嬛传 2011(6) --名セリフ集2
 7 后宫・甄嬛传 2011(7) --名セリフ集3
 8 甄嬛传 第1集-第5集 --甄嬛の病気
 9 甄嬛传 第6集~第10集 --闘いのはじまり
10  甄嬛传 第11集~第15集 --華妃の斜陽と復活
11  甄嬛传 第16集~第20集 --浣碧の迷走
12 甄嬛传 第21集~第25集 --安陵容の憂鬱
13 甄嬛传 第26集~第30集 --“腹黑女”は日本語
14 甄嬛传 第31集~第35集 --仮面(差異と反復)
15 甄嬛传 第36集~第40集 --皇帝と甄嬛の陰謀
16 甄嬛传 第41集~第45集 --あっぱれ、流朱の死
17 甄嬛传 第46集~第50集 --戻ってきた笑顔
18 甄嬛传 第51集~第55集 --回宫(後宮再び)
19 甄嬛传 第56集~第60集 --小競り合いの応酬
20 甄嬛传 第61集~第65集 --二人のじゃじゃ馬
21 甄嬛传 第66集~第76集 --皇后,杀了皇后

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