2012年4月4日水曜日

甄嬛传(宮廷の諍い女) 2011|第61集~第65集|二人のじゃじゃ馬

ラベル“甄嬛传” 20

叶澜依(宁贵人)は、甄嬛(熹贵妃)の喉元に匕首を突き付けます。叶澜依にとって何が問題なのかというと、どうも甄嬛の果郡王に対する冷たい態度が気に入らないようです。

この野生児(女)は、皇帝も皇后も恐れはしないのですが、恩を受けた果郡王だけは大切にしたいようです。かつて、甄嬛に猫をけしかけたのも、甄嬛が果郡王に冷たい態度を取ったからみたいです。

このおかげで甄嬛は産気づくわけですが、甄嬛にとっては、このため早産になったという言い訳が手に入れられたわけで、叶澜依は知らずに甄嬛の手助けをしていたことになります。

この段では、もうひとり、皇帝を恐れないじゃじゃ馬が登場します。宮女として甄嬛に仕えることになった甄嬛の妹--玉娆です。叶澜依が野生の女であるのに対して、玉娆は天然系の女の子です。

叶澜依と玉娆は、この段の要所要所で、大筋とは関係ないものの、花を添えてくれることになります。

甄嬛は、まず恐喝まがいに、敬妃を自陣に取り込みます。一方、皇后陣営はどうなのかというと、祺贵人と陵容が内ゲバをしている始末で、なんだかちょっと先が思いやられます。

さあ、ここから次から次へと、あれよあれよと波乱な出来事が続きます。

まずは、祺贵人によって自慢の喉をつぶされた陵容は、寵愛獲得作戦として一大スペクタクルを展開します。

彼女は子供を産めない身になることを覚悟のうえでダイエットに取り組み、大みそかの日のフィギュアスケート大会で、真央ちゃんばりのスケーティングを披露して、皇帝の寵愛を再獲得します。

家柄の低い陵容は、つねに芸をもって寵愛を獲得するわけで、彼女の涙ぐましい努力には頭が下がります。

このドラマではこれまでも大きな山場はいくつかあったわけですが、ここで、もうひとつの山場が訪れます。皇后と祺贵人が、甄嬛に対して、決定的な攻撃をしかけるからです。祺贵人は、甄嬛と温实初の密通を、皇后に訴えます。

玉娆 
的外れな攻撃ではあるわけです。しかし、中国においては、敵を失脚させるためには、どんなにいいかげんな理由であろうと、それに理があれば通ってしまうのは、司馬遷“史記”でもたくさん叙述されています。

したがって、この攻撃に対して甄嬛も、慎重に対処しなければなりません。ましてや、甄嬛が産んだ双子のパパは果郡王であり、出産間近かの沈眉庄のお腹のなかの子のパパは温实初だからです。でも、この時点では、甄嬛は、眉庄と温实初の関係を知ってはいません。

言われのない危機をなんとか乗り切った甄嬛は、皇后にかわって、後宮管理の全権を獲得します。このたくらみを仕組んだのは皇后であることは、誰にもみえみえだからです。

さらにはこの段では、浣碧が果郡王のお嫁さんになります。さらには、果郡王は皇帝の意向によって、沛国の公女もお嫁さんにします。

そんな果郡王に対して、熹贵妃(甄嬛)と宁贵人(叶澜依)がいっしょにため息をつくシーンは、とても印象的です。

現実にはなんの根拠がなくても一理があれば簡単に政敵を失脚させてしまうことができるとか、自分の姉の元愛人をだんなにして喜ぶ浣碧とかは、日本人にはなかなか理解できないことと思います。

でも、こういうのが中国人にとって、ごく普通な行為や好意であり、感情であるということは、金庸ドラマのファンであれば、よくわかっていることと思います。

“自宮”といえば思い出されるのが、金庸ものドラマのひとつ 《笑傲江湖》 の三人です。つまり、东方不败と林平之、そして岳不群の3人です。

甄嬛との関係を疑われた温实初は、なんと“自宮”してしまいます。

“自宮”は自分でチンチンを切ってしまうわけですが、友達をかばった司馬遷は刑罰としての“宮刑”に処せられます。

“宮刑”に値するお金を出せば、司馬遷はチンチンを切られることを回避できたのですが、司馬遷にはそれだけのお金がなかったそうです。

ラベル《甄嬛传》 --目次

 1 后宫・甄嬛传 2011(1)--最後の孙俪(スン・リー)
 2 后宫・甄嬛传 2011(2) --登場人物と役者
 3 后宫・甄嬛传 2011(3) --清朝後宮のしくみ
 4 后宫・甄嬛传 2011(4) --孙俪传(スン・リー伝)
 5 后宫・甄嬛传 2011(5) --名セリフ集1
 6 后宫・甄嬛传 2011(6) --名セリフ集2
 7 后宫・甄嬛传 2011(7) --名セリフ集3
 8 甄嬛传 第1集-第5集 --甄嬛の病気
 9 甄嬛传 第6集~第10集 --闘いのはじまり
10  甄嬛传 第11集~第15集 --華妃の斜陽と復活
11  甄嬛传 第16集~第20集 --浣碧の迷走
12 甄嬛传 第21集~第25集 --安陵容の憂鬱
13 甄嬛传 第26集~第30集 --“腹黑女”は日本語
14 甄嬛传 第31集~第35集 --仮面(差異と反復)
15 甄嬛传 第36集~第40集 --皇帝と甄嬛の陰謀
16 甄嬛传 第41集~第45集 --あっぱれ、流朱の死
17 甄嬛传 第46集~第50集 --戻ってきた笑顔
18 甄嬛传 第51集~第55集 --回宫(後宮再び)
19 甄嬛传 第56集~第60集 --小競り合いの応酬
20 甄嬛传 第61集~第65集 --二人のじゃじゃ馬
21 甄嬛传 第66集~第76集 --皇后,杀了皇后

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