2012年6月14日木曜日

《志明与春娇》 2010 --烟民の悲劇と喜劇



2007年1月1日、香港では飲食店や公共の場所での喫煙が禁止されました。ぼくは、2006年の年末、日本の新聞でそのことを知tって、その記事を切り抜いて、しばらく壁に貼っておきました。

タバコを吸う人を、中国語では“烟民”とか“抽烟族”と呼ぶようです。公共の場所での喫煙が禁止されてしまった香港の“烟民”は、どうなってしまったのでしょう?

志明与春娇》 2010

は、映画館でその旨の字幕が映されるところから始まります。路地裏では、いろいろな職場で働いている“烟民”たちが、休憩時間に灰皿の前に集まってきて、タバコを吸いながらあれこれおしゃべりしています。

そうなのです。2007年の香港では、飲食店や公園での喫煙は禁止になったとはいえ、ストリートには相変わらず灰皿兼ごみ箱が置かれていて、道端でタバコを吸うのはOKなのでした(今[2012年]もそうなのかどうかは知りません)。

そんなわけで、2007年前後の香港を知っているとか、その頃に香港に行ったことのある日本の“烟民”ならば、この映画は見ておいてもいいでしょう。

百度百科によると、“志明与春娇”とは、台湾のバンド五月天が1999年に発表した曲のタイトルだそうです。

以後、“志明与春娇”は、“梁山伯与祝英台梁山伯と祝英台)”とか“罗密欧与朱丽叶ロミオとジュリエット)”のようなカップルの代名詞になったとのことです。

“梁山伯与祝英台”と“罗密欧与朱丽叶”は悲劇な物語でもあるわけですが、“志明与春娇”はごく普通な男の子と女の子のことを指すようです。

というわけで 《志明与春娇》は、カップルである二人が“烟民”であるということを除けば、ごく一般的なラブストーリーです。

単純に笑えるところは、夜中の公園で、志明がタバコを吸っているところを警察に見つかってしまうシーンです。

志明は日本人のふりをして「ワタシニホンジン。I'm japanese」などと言って、香港事情を知らないふりをします。春娇は「アンニョンハセヨ~」とか言って韓国人のふりをします。

春娇を演じているのは、杨千嬅という女の子(おばさん)です。志明を演じているのは、余文乐という男の子です。杨千嬅が1974年生まれ、余文乐が1981年生まれです。実際には、杨千嬅が7つくらい年上なわけですが、映画では5歳年上という設定になっていたと思います。

志明と春娇は、こんなセリフを交わします。

春娇:我年纪比你大。
(わたし、あなたより年上よ)
志明:但我比你高。
(ぼくは君より背が高い)

志明與春嬌 - 五月天


春嬌與志明主題曲

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