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2016年4月6日水曜日

青丘狐传说之恒娘|古力娜扎にトップ女優へのロードマップはあるのか?



青丘狐传说》 2016 では、6つの物語が語られますが、すべてが独立した物語とうわけではありません。女娲によって青丘に住み、魅树の世話を命じられた狐妖一族の面々が6つの物語をつむいでいきます。

この記事では 《青丘狐传说》 における最終エピソード “恒娘” について書いておきます。《青丘狐传说》 って何?  大陸における “聊斋ドラマ” って何?  とか、“上海唐人” って、どんな会社?  などについては、こっちの記事を見てください。

青丘狐传说 2016|上海唐人を凋落させた刘诗诗、あるいは胡歌の復活


“恒娘” は 《青丘狐传说》 の最終エピソードとあって、上海唐人とっておきの美女美男を用意しています。

美女が誰かというと古力娜扎で、上海唐人にとって刘诗诗の後継というには、あまりにも美女すぎます。美男は蒋劲夫胡歌の後継というには、ちょっとなんだかなー?  のように思います。

古力娜扎と蒋劲夫は、上海唐人の大失敗作 《轩辕剑》 2012 でデビューします。《仙剑》 系列のドラマかと思わせておきながら、とんでもない駄作でした。どうして駄作になってしまったのかについては、こっちの記事を見てください。

女医 明妃传 2016|目指すは刘亦菲! 刘诗诗における不断の整形、その全真相!!

《轩辕剑》 の古力娜扎
ではあるにせよ 《轩辕剑》 で、とにもかくにも古力娜扎がデビューしたのです。ぼくは、こういう顔、こういうスタイルが大好きです。

古力娜扎は、本日(2016年4月6日)百度の女性スター人気ランキングで34位にいます。けっこう人気です。


杨幂刘恺威の恋愛が発覚したのが2011年から2012年にかけてのことで、2012年当時、杨幂にがっかりしたぼくは 《轩辕剑》 の放映が始まる前から、これからは杨幂のことなんて何も考えないで、古力娜扎だけに注目しようと決心しました。

杨幂と刘恺威の結婚式
結婚前、杨幂の八卦(芸能界ゴシップ)はあれこれ流れました。たとえば、“杨幂の脚は臭い事件” です。

これは、杨幂が微博で “たくさん歩いたので、脚がちょっと汗臭い” みたいなことを書いたとたん、あっという間にネット上では “杨幂の脚は臭い” という定説が定着したのでした。

杨幂の八卦は数あるわけですが、彼女は最後まで “本命” との八卦を流すことは許しませんでした。《宫锁心玉(宮 パレス~時をかける宮女~)》 2011 が大ヒットして、大陸トップ女優の座が確定した杨幂は、それで決心したのでしょう。刘恺威とのおつきあいを公表します。

《宫锁心玉》
ファンは、でたらめな八卦に一喜一憂することもあれば、またほら話だよと笑うこともあったわけですが、大女優を確定した後で本命を公開した杨幂は立派だったと思います。

ところが、古力娜扎はどうでしょう?  デビューして3年、まだ代表作もないのに、昨年(2015年)张翰とのおつきあいを公開してしまったのです。

このニュースが流れたとき、ぼくは悲しくなったというよりも、けっこう怒りました。“おまえが誰とつきあおうが、それは君の勝手だけど、そういうことを公開するのは、もっと一人前になってからするもんだろ。そんなことでトップ女優になれると思っているのか!”--そんなふうに思ったのです。もっと、ファンを楽しませてくれたって、いいではありませんか。


とはいえ、古力娜扎はどんどんトップ女優に向かって走っているようにも見えます。この 《青丘狐传说》 は今年(2016年)2月8日からの放映で、もう放映は終わっています。いま(2016年4月6日)百度のテレビドラマ人気ランキングのトップ3が

武神赵子龙 2016
旋风十一人 2016
山海经之赤影传说 2016

古力娜扎と张翰(山海経)
なのですが、このすべてに古力娜扎は出演しています。《旋风十一人》 と 《山海经》 は上海唐人ものなので、当然と言えば当然ではあります。

《山海经》 が、古力娜扎がはじめて主役(ヒロイン)を演じたドラマということになります。そして、もう一人の主役(ヒーロー)が、おつきあい中の张翰です。

《武神赵子龙》の古力娜扎(貂蝉)
《山海经》 は、放映開始時(3月20日)には百度テレビドラマ人気ランキングのトップに立ちましたが、すぐに3位から5位くらいをうろうろするようになりました。あまり出来が良くないのかもしれません。《旋风十一人》 は胡歌の青春サッカードラマで、こちらでは古力娜扎はの客串だけのようです(あるいは出てないかもしれません)。

《武神赵子龙》 はタイトルを見ればわかるように、赵云を中心にした三国志ものということでしょう。古力娜扎は、大陸四代美女のひとり、貂蝉を演じています。


さて 《青丘狐传说》 の最終エピソード 《恒娘》 では、古力娜扎は九尾狐を演じています。

女娲は狐妖一族に魅树の世話を命じたのですが、魅树に実をつけた魅果を灰耳が盗んでしまいます。これに怒った女娲は、狐妖一族を抹殺することにします。

女娲については、ここであれこれ書きませんが、大陸ドラマを見るうえでは重要な女神です。知らない人は、ウィキペディアとかで調べてみてください。このブログでも女娲についてはあちこちで書いているので、このブログの検索ボックスでも検索できます。

そんなこんなで、女娲は狐妖一族を許してあげるための条件を提示します。それは、ある夫婦に子供を生ませ、なおかつ灰耳を処分することです。そこで若き族長、柳长言(蒋劲夫)は、狐妖の大先輩である九尾狐(古力娜扎)を探しに出かけ、九尾狐協力を要請します。

长言と九尾狐は役人に化けて、洪大业の隣に引っ越してきます。洪大业と朱氏の夫婦に子供を生ませるのが、彼らの仕事です。洪大业の正妻が朱氏なのですが、洪大业は妾の莹儿に夢中で、朱氏など眼中にありません。莹儿は、実はイタチの妖です。

九尾狐は朱氏に、ほんとうに夫の愛を取り戻すための策をあれこれ授けます。长言と九尾狐は、人間では妖術を使うことは許されないのです。一方、領主の九王は、九尾狐に惚れてしまい、长言殺害をもくろむのですが、その背後にいるのが……といった物語です。もちろん、メインの恋物語は、九尾狐と长言のラブストーリーです。


“聊斋ドラマ” というのは、おどろおどろしい妖怪話ではなくて、わりと軽いタッチの愛情物語が多いのですが、この 《恒娘》 はどたばたタッチのお笑い仕様になっています。したがって、蒋劲夫と古力娜扎は見る物を笑わせるための軽い演技が要求されます。二人ともがんばっているとは思いますが、まだまだのようには思います。

《轩辕剑》の刘诗诗
杨幂は 《仙剑三》 と 《宫》 で、ぼくたちをたっぷり笑わせてくれました。もちろん、刘诗诗は永遠にお笑い演技なんてできません。古力娜扎が、杨幂に負けないお笑い演技ができる日が来るのでしょうか。刘诗诗の顔は見ていて不快なだけですが、古力娜扎の場合、演技がいまいちでも、美女顔を見ているだけで許せてしまいます。

苏喜(刘雅瑟)
このドラマを軽くするために用意された秘密兵器が、长言の妾として用意された苏喜です。苏喜が実は男なので、妾役にしては態度も言葉も乱暴すぎます。

で、苏喜を演じているのが刘雅瑟という89年生まれの女の子です。男が女に扮する役を、女性が演じるという奇妙な構図なわけで、けっこう笑わせてくれます。

《青丘狐传说》插曲MV清新上线 郭静动情献声《别惹哭我》


《青丘狐传说》开播发布会 娜扎化身霸道总裁


《青丘狐传说》曝光深情片尾曲MV 《风之恋》

2016年2月11日木曜日

青丘狐传说 2016|上海唐人を凋落させた刘诗诗、あるいは胡歌の復活



今年(2016年)の春节は、久しぶりに上海唐人(上海唐人电影制作有限公司)のドラマが話題を独占しそうです。今年の2月8日から放送が始まった聊斋志异(聊斎志異)ものドラマが、

青丘狐传说 2016

です。今(2016年2月11日)、百度のテレビドラマ人気ランキングでは、この 《青丘狐传说》 がトップです。そして、土曜日の13日から人気トップになることが確定しているのが、やはり上海唐人制作で、霍建华刘诗诗が主演するこのドラマです。

女医·明妃传 2016

上海唐人は 《步步惊心》 2011 が大ヒットした以降、すなわち  《轩辕剑之天之痕》 2012(胡歌,刘诗诗,唐嫣+新メンバーの古力娜扎蒋劲夫)で大失敗した後、パワーのあるドラマが皆無でした。

上海唐人と言えば、今でも代表作は 《仙剑奇侠传》 2005 と 《仙剑奇侠传三》 2010 だと思います。《仙剑奇侠传》 2005 は胡歌、刘亦菲安以轩、《仙剑奇侠传三》 2010 は胡歌,杨幂,霍建华,唐嫣という豪華メンバーでした。


轩辕剑》 2011
なんで、《轩辕剑》 が失敗したのかというと、理由は2つあります。

1つは、上海唐人が刘诗诗に幻想を抱きすぎたことです。顔がブスなのはともかく、姉御はだふうのワンパターン演技が臭すぎて、これだけでドラマはパワーを失ってしまいます。

ただし、やはり上海唐人の 《风中奇缘(風中の縁)》 2014 では、だいぶ臭みが抜けていたように思います。あるいは日本映画 《真夜中の五分前(深夜前的五分钟)》 は、シナリオがバツなのはともかく、刘诗诗のブス隠しだけに腐心した駄作でした。

上海唐人が凋落したもう1つの理由が、胡歌のイメチェン作戦です。《仙剑》 シリーズでの胡歌は、ちょっと情けないけど、なんだかんだ危機を乗り切ってしまう軽いタイプの2枚目でした。したがって、演技だって日常の自分自身で良かったわけです。


《琅琊榜》 2015
つまり、上海唐人の凋落と胡歌の凋落は 《轩辕剑》 の失敗と同時に始まったわけです。しかし、胡歌は昨年(2015年)、2つのテレビドラマで(上海唐人とはなんの関係もなく)復活しました。

伪装者 2015(8月31日放映開始)
琅琊榜 2015(9月19日放映開始)

昨年(2015年)の後半、百度などを覗くと 胡歌の “不靠脸,靠实力(顔に頼らず実力で勝負)” という広告をしょっちゅう目にしました。胡歌のイメチェン作戦とは、そういう意味だったわけです。

すなわち 《轩辕剑》 とは、“胡歌のイメチェン作戦+刘诗诗を大女優に!” という2つの目的があったわけですが、どちらもなんの成果もなく惨敗したということになります。

胡歌は実力派の役者として復活しましたが、上海唐人の復活作戦は成功するのでしょうか? そんなことは、ぼくには関係ありません。


聊斋志异ものドラマは、もちろん原作は 《聊斋志异》 なわけですが、だいたいは40集くらいで、一話5~7集、全部で六話くらいで構成されます。

たぶん、最初に聊斋志异ドラマを思いついたのは、香港TVBあたりでしょうか。

大陸のドラマ制作会社も、ネタに困ると聊斋志异ドラマを作るのでしょう。現在(2016年2月)大したドラマがないとはいえ、《青丘狐传说》 が人気になるのは、中国人の聊斋志异ドラマ好きを良く表しています。

香港映画 《倩女幽魂(チャイニーズ・ゴースト・ストーリー)》 は最後は悲劇ですが、原作の 《聊斋志异》 のこのエピソードは、なかなかのハッピーエンドです。

聊斋志异ドラマもけっこう軽いので、気楽に見られるので人気になるのでしょう。

上海唐人だって、《新聊斋志异》 2005、《聊斋奇女子》 2008 という聊斋志异ドラマを作っています。とりわけ、《新聊斋志异》 では、今では考えられない豪華メンバーでした。

胡歌と杨幂の 《小倩》
《小翠》 というエピソードには李冰冰、《陆判》 には黄晓明が出ています。

そして、《倩女幽魂》 の原作と同じ題材である 《小倩》 で、書生と亡霊を演じているのは胡歌と杨幂です。杨幂も出ている黄晓明と刘亦菲の 《神雕侠侣》 2006 と同時期なので、杨幂のあごはまだ細くありません。

そんなわけで聊斋志异ドラマとは、出ている側にとっては大スターへの登竜門であり、見る側からすれば将来の大スターをいち早く発見する場でもあるわけです。


《青丘狐传说》 はナレーションとイラストで、女娲は灵狐を四大神兽のひとつに格上げしてあげて、その後、西周の戦いにおいて、殷の纣王を堕落させるために灵狐を地上に派遣したことから語り始めます。つまり、灵狐が妲己だったというわけです。

ドラマとは直接に関係のない女娲を持ち出す必然性はないのですが、西周と殷の戦いを描く 《封神演义(封神榜)》 は、中国人ならば誰でも知っています。女娲を持ち出すだけで、ドラマの必然性が生まれます。

范冰冰の 《封神榜》 2006
《封神榜》 は、何度もドラマになっています。日本でも、范冰冰が妲己を演じた 《封神榜》 のDVDは今でもレンタルできるように思います。ただし、Part2には范冰冰は出ていなくて、日本で入手できるのかどうかは知りません。

封神榜之凤鸣岐山》 2006
封神榜之武王伐纣》 2009

女娲あるいは 《封神榜》 で活躍するヒーローたちは、大陸のテレビドラマを見る際の基礎知識でもあります。《仙剑》 シリーズでも、女娲は重要な役割を担っていました(刘亦菲のヘビ女は必見です)。


ところが、妲己(灵狐)は纣王とラブラブになってしまい、妲己は纣王をあやつって西周に敵対します。これに怒った女娲は、狐の妖族をすべて青丘に追放してしまいます。狐の妖族一族の仕事は、青丘で500年に一度、果実をつける魅树という樹木の保守管理です。

青丘という場所は、苏州工业园区にある地域なのですが、何かと九尾狐と縁のある場所のようです。

そんなわけで、《青丘狐传说》 では、青丘に住んでいる狐の妖たちの6つの物語が描かれます。もちろん、胡歌も刘诗诗も出ていません。メインとなるエピソードであろう 《恒娘》 の主役は、古力娜扎と蒋劲夫です。

最後に、このドラマで描かれる6つのエピソードを、簡単に紹介しておきます。

《阿绣》
《阿绣》
狐の妖である花月と人間世界の女子である阿绣の物語で、この二人と刘子固という男をめぐって、あれこれの事件が起きていくようです。

《封三娘》
狐の妖である三娘は、悪名高い孟家の人々を懲らしめようと孟家に乗り込みます。ところが、孟家の悪名とは実は……
そんな物語のようです。

《婴宁》
狐の妖である婴宁は、天真爛漫な女の子です。そんな彼女が、服家と王家のごたごたに巻き込まれていくようです。

《胡四相公》
狐の妖である胡四、強力な法力を持っています。ところが酒好きなため、富家のお坊ちゃま张生と遊んでばかりいます。ところが……何かが起きるのでしょう。

《恒娘》
《长亭》
石太璞は妖怪ハンターで、狐の妖を駆除しています。ところが、この石太璞と狐族の長老の娘の縁談が……みたいな話のようです。

《恒娘》
九尾狐が化けている恒娘(古力娜扎)は、お隣りに住む夫婦の仲をどうのこうの……というお話です。

この 《恒娘》 についてというか、古力娜扎については、こっちの記事にまとめておきました。

青丘狐传说之恒娘|古力娜扎にトップ女優へのロードマップはあるのか?

《青丘狐传说》MV:郁可唯婉转献声《问明月》


《青丘狐传说》4分钟片花 娜扎 蒋劲夫


《青丘狐传说》曝终极预告片|聊斋志异

2016年1月28日木曜日

捉妖记(モンスター・ハント) 2015|大陸国産映画の興行記録を大きく塗り替えた3Dファンタジー




昨年(2015年)大陸で最もヒットして、なおかつ国産映画の興行収入記録を大きく塗り替えたのが、この映画です。

洋画も含めると、トップが 《速度与激情7(ワイルド・スピード7》) の443億円、この映画が第2位で435億円稼いだそうです。第3位が、数字的にはかなり離されるのですが 《港囧》 の294億円です。

ただし、中国映画の興行成績については、あれこれ不正も指摘されているようで、数字がどこまで本当なのか、そんなことは知りません。

ぼくは、この映画のタイトルが 《抓妖记》 だとばかり思っていました。QQの知り合いに “抓妖记を見たか?” と聞いたら、“もちろん見たけど、タイトルは 《捉妖记》 だ” と
言われてしまいました。

捉妖记 2015

かつて人と妖はいっしょの世界に住んでいました。しかし、人は妖を追い出してしまい、妖たちは人の知らない世界でこっそりと暮らしています。しかし、妖の世界ではクーデターが起こり、新妖王が誕生してしまいます。

旧妖王は殺されてしまったのでしょうが、妊娠している旧妖后は、二人のお供と逃亡の旅を続けています。この三人はついには人の世界まで逃げてきて、田舎の若者と若い女の捉妖天师(妖怪ハンター)に出会います……。

そんな物語なのですが、なんで大ヒットしたのかというと、大陸で初めてまともな3D映画作りに成功したのがこの映画だからです。

今さら、大陸映画がどれだけ悲惨な3D映画を作ってきたのかを振り返ってみても、意味はないでしょう。

ただし、アメリカでの上映は大失敗で、新聞や雑誌に袋叩きにあったそうです。“3Dのレベルが低すぎ” というのが、大方の批判内容のようです。それはそうなのですが、それよりも “欧米人にはこの物語が理解できない” というのが、本当の事情のように思います。

物語は単純なファンタジーなのですが、妖怪ものや武侠もののドラマや映画を見慣れた中国人には、あまりにも親しみやすい物語です。ヨーロッパやアメリカは、永遠に中国映画--というかアジア文化を誤解していくのでしょう。

もうすぐ(現在2016年1月28日)、《卧虎藏龙(グリーン・ディスティニー)》 の続編というか2016年版の 《卧虎藏龙》 である 《卧虎藏龙:青冥宝剑》 が公開されます。欧米人はあの退屈な映画の、いったいどこが気に入ったのでしょうか? もちろん、ぼくは中国文化を理解している--などと言っているわけではありません。


この映画では、どんな連中が登場するのか、ざっと見ていきましょう。

霍小岚白百何
駆け出しの二钱天师が霍小岚(白百何)です。なんで二钱天师なのかというと、天师は身に付けている古銭の数でランクが決まるからです。人間界にときには妖が出てきてしまうので、天师たちは妖をつかまえて金を稼いでいます。

若者が旧妖后のお供の二人(二匹)と出会って、自分の家に招くのですが、そこにいきなり小岚がやってきて妖怪二匹との戦いを繰り広げます。

ヒロイン小岚を演じているのは、白百何という女の子です。84年生まれなので、もう30を超えていて子供もいますが……。

ぼくはこの映画ではじめて白百何を見たのですが、彼女は今や大陸のナンバーワン女優と呼ぶべきなのかもしれません。昨年(2015年)は、主演した4本の興行収入が全部で30億6400万元(約569億円)と、とんでもない額を稼ぎだしたそうです。

どう見ても美人には見えないのですが、男顔負けのきっぷの良さと少女っぽい可愛らしさが同居しているところがいいのかもしれません。

同じような観点で人気のある刘诗诗がいますが、刘诗诗はあくまでブスだし、演技なんてまるでできません。

白百何は张艺谋の 《幸福时光(至福のとき)》 2000 (極めつけのロリ映画でした) のオーディションは通らなかったものの、张艺谋の青岛ビール100周年記念広告(2003)でデビューしたそうです。そのうち、白百何が出ているほかの映画でも見てみようと思います。

宋天荫井柏然
妖の世界と人の世界の境目あたりの田舎で、村の保长をしているのが宋天荫(井柏然)です。保长と言っても脚が悪いため、縫い物ばかりさせられています。いきなり、妖と天师の戦いを目撃してしまい、あげく旧妖后の胎児を自分のお腹で養うことになってしまいます。

井柏然は事情があって宋天荫を演じることになったのですが、この人は、“十大当红小鲜肉” にも選出されています。

男には特に興味はないのですが、この映画ではけっこうがんばっていたと思います。天荫がどんなふうに妖の子を生むのかについては、見て楽しんでください。

《小时代4》 2015
《捉妖记》 が大ヒットして、最もくやしかったのが台湾のアイドル柯震东でしょう。柯震东が宋天荫を演じた 《捉妖记》 は撮り終わっていたのですが、房祖名(ジャッキー・チェンの息子)と柯震东の麻薬事件が起きたため、大金を投じて井柏然が宋天荫を演じる部分を撮り直したそうです。

《捉妖记》 は去年(2015年)7月に公開されたわけですが、去年の7月には、柯震东が主役のひとりである 《小时代4》 が予定をかなり遅らせて公開されると共に、房祖名が悪役のひとりに扮する陈凯歌のろくでもないごみ映画 《道士下山》 2015 が公開されています。

しかし、《捉妖记》 は子供向けファンタジーでもあるわけで、汚点の存在は許されないということで、井柏然の宋天荫を撮り直したのでしょう。

胡巴
天荫の腹を借りて生まれてきた小妖王が胡巴です。この映画は3Dと言っても、もっぱらアニメキャラの3D造形に力を入れていて、妖が人間に化けていないときはみんなアニメキャラです。そんなわけで胡巴は最初から最後までアニメキャラです。

胡巴という名前は、映画の最後のほうで天荫がそういう名前をつけるのですが、胡巴のしぐさや行動は、ものすごく良く中国の子供(というか习近平も含めた中国人を)代表しているように思います。これも、実際に見て楽しみましょう。


霍小岚と宋天荫と胡巴がこの映画の主人公です。他のメンバーもなかなか豪華キャストなのですが、いずれも客串(ゲスト出演)として、気軽に楽しく演技を楽しんでいます。

宋天荫奶奶金燕玲
宋天荫のおばあちゃんを演じているのが金燕玲です。日本人であっても、何度かはこの人の顔を見たことがあるのでしょう。1954年生まれとのことで、もう60をちょっと超えていますが、この映画で演じているおばあちゃんほど、おばあちゃんではないはずです。

クライマックスの格闘シーンでは金燕玲のおばあちゃんも活躍します。そして “6+5は11である” とかたくなに主張するのですが、なんでそういう計算が成り立つのかも見てのお楽しみです。

《推拿》 2014 郭晓冬
宋戴天郭晓冬
なんで宋天荫にはパパがいないのかというと、パパは偉大な十钱天师だったのですが、どうやら家から逃げてしまったようです。ということで 《捉妖记2》 では、宋戴天の存在がひとつの焦点になるのでしょう。

一瞬のワンカットだけの登場ですが、宋天荫のパパ宋戴天を演じているのは郭晓冬です。この人は、どちらかというとテレビドラマで活躍している演技派です。最近の映画では、アジアの映画賞を獲りまくった娄烨(ロウ・イエ)の 《推拿》 2014 で、王大夫を演じていました。

昔の話をすれば,やはり娄烨の 《颐和园(天安門、恋人たち)》 2006 で周伟を演じていたのが郭晓冬です。


竹高曾志伟
胖莹吴君如
旧妖后を、追手から必死に守ろうとしている妖が竹高と胖莹です。妖后が死んでしまってからは、妖后の子供を無事出産させなければなりません。胡巴が生まれてからは、胡巴を守らなければなりません。

竹高を演じている曾志伟は、金燕玲と同様に香港や中国の映画を見ている人なら、何度も見たことのある人でしょう。たとえば 《越光宝盒》 2010 では孔明(诸葛亮)を演じて、《赤壁(レッドクリフ)》 2008 の金城武のパロディで、しきりに “略懂,略懂” と言っていました。

おばさん妖の胖莹は、宋天荫に “あなた、おいしそうね” とか言って登場するのですが、はじめ誰なのかわかりませんでした。なんだ、吴君如ではありませんか。昔の香港映画を見たことにある人ならば、誰でも知っているでしょう。

もちろん美人ではありませんが、軽快でパワフルな演技は映画を盛り上げてくれます。吴君如が出ている最近の映画が日本で公開されているのかどうかは知りませんが、今でもたくさんの映画で活躍しています。

罗刚姜武
五钱天师が罗刚で、小岚が竹高と胖莹を捕らえかけたところを、横取りしてしまいます。なかなか腕は立つようですが、けっこうドジで、小岚と竹高とは最後までお付き合いすることになります。

ぼくは罗刚を演じている姜武という人は、はじめて見たと思っていたのですが 《白蛇伝説》 2011 に出ていました。あと 《洗澡(こころの湯)》 1999 という映画も見たことがありました。顔はとても姜文に似ています。名前からわかるように、姜文の弟が姜武です。ドラマや映画でけっこう活躍しているようです。


妖買い取り店のママ汤唯
小岚は生まれた胡巴を、妖買い取り店にあっさり売ってしまいます。この店のママが汤唯で、汤唯と言えば日本では 《色·戒(ラスト、コーション)》 で有名なのでしょう。大陸では美女としても有名なわけですが、ぼくには、この人のいったいどこが美女なのかよくわかりません。

ぼくが見たことのある汤唯の映画は 《北京遇上西雅图北京ロマンinシアトル)》 2013 です。大陸では、けっこうヒットしました。

ぼくには、やっぱりどこが美女なのか、どこが面白いのかわかりませんでした。もちろん、刘诗诗ほどブスで演技がへたくそだとは言いません。

妖料理の神シェフ姚晨
妖料理レストランの神シェフが姚晨です。胡巴を料理しようとするのですが、煮ても焼いても胡巴はピンピンしています。

胡巴を調理することをあきらめたを彼女は、ついに胡巴の料理方法を決めます……。神シェフを演じているのは、姚晨です。

この人は、最近はドラマには出ないで映画ばかりのようです。この人の映画はたいていは面白くないのですが、微博(ミニブログ)の女王として有名です。今、調べたらフォローしている人が7896万人いました。

《风暴》 2013
姚晨が出ている 《九层妖塔》 2015 という映画が去年公開されました。これには唐嫣も出ているので、そのうち見てみましょう。唐嫣は演技が特にうまいわけではありませんが、がんばっていると思います。

でも、ぼくは姚晨という人は、顔とか演技とか、いつもどうだかなーと思ってしまいます。刘德华(アンディ・ラウ)の映画はたいていは日本でも公開されるようなので、姚晨も出ていた 《风暴》  2013 も日本で公開されたのかもしれません。

とはいえもちろん、姚晨は刘诗诗ほどバカでもブスでもありません。

郑涛保剑锋
骆冰闫妮
妖料理レストランに特別料理(胡巴)をあじわいにやってきた御一行のなかにお金持ち夫婦がいます。奥さんを演じているのが闫yán妮で、姚晨が出ているのなら闫妮が登場しても当然です。姚晨と闫妮は 《武林外传》 2006 で有名になったからです。

《武林外传》 は、目立ったドラマがないときには、今でも百度のドラマ人気ランキングに顔を出します。

このドラマは、旅館のおかみ(闫妮)とその仲間たちの物語で、いわば人情喜劇なのですが、それほど臭みもないので、気軽に楽しめる経典です。

闫妮はブスなので大陸の吴君如みたいな位置づけあたりがふさわしいかとも思うのですが、わりと怖いおばさん役が多いようにも思います。《画壁》 2011 では、怖いおばさんでした。

葛千户钟汉良
葛千户は、天师たちを仕切る天师堂のボスで、胡巴に賞金をかけます。妖にとっては、最大の敵が葛千户であるわけですが……。

演じている钟汉良は百度のスター人気ランキングでは、本日(2016年1月28日)第3位です。ついでに書いておくと、第1位は 《新笑傲江湖》 2013 などの霍建华(ウォレス・フォ)、第2位は香港の陈伟霆(《古剑奇谭》  2014の大师兄)となっています。

钟汉良は、黄晓明版 《鹿鼎記》 2008 の康熙役とかで、日本でもそれなりにおなじみかもしれません。最近では、韩寒が監督を手がけた 《后会无期(いつか、また)》 2014 にちょこっと出ていました。あ。日本でも放映されたと思いますが、钟汉良が乔峰を演じた 《新天龙八部》 2013 がありました。この 《天龙八部》 は、後半へたってしまいました。

《捉妖记》2015 国际版预告片


钟汉良-电影《捉妖记》主题曲《奇书》MV



捉妖记 制作特辑 柯震东


5分钟无节操看完《捉妖记》

2015年11月8日日曜日

花千骨 2015|舞台は 《仙剑三》、物語は金庸の良いとこ取り



とにもかくにも、今年(2015年)の大陸におけるテレビドラマの最大の話題作がこの

花千骨 2015

でした。《花千骨》 は、湖南卫视の钻石独播剧场で6月9日から放映がはじまり、9月7日に大結局を迎えました。週に4話(週2日、1日2話の放映)の放映なので、全58話の放映が終わるにはけっこう時間がかかります。

昨年(20104年)、だいたい同じ時期に同じパターンで放映されたのが

古剑奇谭 2014

でした。杨幂最後の主演ドラマとして、ぼくは 《古剑奇谭》 にかなり期待していたのですが、ちょっと期待はずれでした。そんなこともあって、この 《花千骨》 にはあまり期待していませんでした。ところが、あらま!  これ面白いじゃありませんか!!


花千骨を演じる赵丽颖は可愛いタイプの女優さんで、個人的には特にタイプではないのですが、このドラマにはふさわしかったように思います。なによりも霍建华が演じる花千骨の師匠、白子画が真面目一辺倒で、その冷たさがぼくたちを大いに笑わせてくれます。

中国のテレビドラマは、何かが大ヒットすると禁止事項が追加されてしまいます。たとえば 《》 とか 《步步惊心》 などの穿越(タイムトリップ)ものが当たると “歴史を改ざんする穿越ものは禁止” といった具合です。

そんなわけで、最近の古装戏(時代劇)における話題作は、いつでもないどこでもない場所で仙人や妖怪が活躍します。それが 《古剑奇谭》 であり、この 《花千骨》 ということになります。この系列のドラマは “仙侠” ものと呼ばれ、(たぶん)《仙剑奇侠传(仙剑一)》 が源流です。


じゃあ、そもそも 《花千骨》 がなんなのかというと、まずは小説です。fresh果果という若い女の子が書いたベストセラーです(1986年6月贵州生まれ、2005年中国传媒大学卒業?)。2008年12月31日、晋江文学城で連載がはじまり、2009年にはたちまち超人気作家になります。

テレビドラマ 《花千骨》 の原作が小説であり、《仙剑奇侠传》 や 《古剑奇谭》 の原作はゲームです。

“仙侠” ものは、まず小説とゲームにおいて、あるいは小説とゲームの相互影響のもとで、この分野が開拓されていったのでしょう。

“仙侠” ドラマの大傑作が 《仙剑三》 2010 ですが、原作であるゲームは2003年に発表されています。そしてこの頃、fresh果果は小説 《花千骨》 で超有名になります。

ドラマ 《仙剑三》 でも 《花千骨》 でも仙術を身につけた道士は、剣に乗って空中を飛びます。剣に乗って空を飛ぶ術は、仙剑系列のゲームが発明したのか、fresh果果が発明したのか、あるいは他の誰かが発明したのか、ぼくは知りません。


仙剑シリーズと 《花千骨》 において、共通する大切なキーワードが “六界” です。世界がどうして6つ部分から成り立つのかというと、これは女娲の天地修復神話と関係しているのですが、詳しいことは知りません。何が六界なのかというと、“神界”、“魔界”、“仙界”、“妖界”、“鬼界”、“人界” です。

“神界” と “魔界” は徹底的に対立するものとして存在していて、その間に仙界、妖界、鬼界、人界があります。“魔界” と “鬼界” は同じではありません。

魔は神と対立するものですが、鬼界に存在するのは亡霊たちで、簡単に言えば地獄です。仙界にいるのは、修練を重ねて神に近づいた人たちです。

人間を作ったのが女娲ですが、仙剑シリーズでは女娲の后人(子孫)があれこれの活躍をします。《仙剑一》 では、なんと刘亦菲がへび女になって、山中を駆けずり回るのでした。そして 《花千骨》 の花千骨も、実は女娲の后人です。

そんなわけで 《花千骨》 のドラマの舞台は“いつでもない” “どこでもない” いまだ六界が存在していた世界です。舞台はそうなのですが、展開するドラマは金庸ドラマのいいとこ取りと言っていいでしょう。


どんな物語なのかというと、基本は长留(仙人の修業を行う集団)vs 七杀派(魔界の住人たち)の対立が基本になります。

人界の武功集団も登場するのですが、いずれも七杀派にはかないません。

しかし、物語はそう単純ではないようです。异朽阁という組織が不気味が動きをしています。

物語の中心は长留のトップである上仙・白子画と花千骨の恋なのですが、白子画は花千骨に対して一貫して冷たい態度を貫き通します。ぼくたちは、白子画と花千骨がいつかひしと抱き合うシーンを見たくてしょうがないわけです。

白子画は、花千骨が自分の “生死劫” であることを知っています。“生死劫” とは、自分を死に至らしめる縁のある人間のことです(本来は囲碁における無限ループになってしまうパターンのようです)。

自分にとっての “生死劫” の血を “验生石” にたらすと验生石が光ります。

一方、花千骨は、自分が白子画の生死劫であることを知りません。やがてそのことを知ったとき、彼女は白子画の前から姿を消そうと決心するのですが……。この “生死劫” と “验生石” が、fresh果果のオリジナル開発なのかどうか、それも知りません。


準主役の一人が东方彧卿で、なにかにつけ花千骨の力になってくれます。花千骨にとって东方は最も良き友人ですが、东方は花千骨を愛してしまいます。东方をパパ、千骨をママと認識するいも虫が糖宝です。やがて、糖宝は人間の姿となり、长留の弟子の一人、落十一と恋に落ちます。

《仙剑三》 で、原作ゲームとは異なる唯一のキャラがじゃがいもの精である五毒兽で、五毒兽はやがて花楹という人間の女の子になります。この設定は、あきらかに 《仙剑三》 が小説 《花千骨》 から拝借してきたものでしょう。

このドラマのキャラクタたちのあれこれについては、こっちに書いておきました。

花千骨 2015|ぼくたちを大笑いさせてくれた素敵な登場人物たち


中国の一般の人たちはテレビドラマ 《花千骨》 を、大結局(最終回)以外は、普通に楽しんでいました。

ただし、中国にもコミックやライトノベルやアニメや小説好きの女の子がたくさんいます。そんな彼女たちにとって小説 《花千骨》 は、強烈な経典です。

このドラマの放映が始まるころ、QQにおいて、ぼくには当時中三の三人の女の子の徒弟がいました。彼女たちはもう中学生ではなく、高校に通ったり、美容師の道を目指していたりします。じゃあ、いったいぼくは何の师父なのかというと、いまだにわかりません。

そのなかの一人は、“もうすぐテレビドラマの 《花千骨》 が始まるけれど、わたしは原作のイメージを大切にしたいので人間版のテレビドラマは見ない!” と言っていました。小説 《甄嬛传》 もある意味、ベースにあるのは少女漫画だったと思いますが、《花千骨》 はもっと少女漫画なのです。

おたく少女ではない人は、そういう態度でこのドラマに臨まないと、大笑いできないでしょう。ぼくは、このドラマを見ている間、ずっと大笑いしていました。


原作者であるfresh果果は、このドラマのシナリオにも参加しています。実写化にあたって、あれこれアイデアを出したそうです。

とはいえ話題作はあれこれ吐槽され(突っ込まれ)ます。原作の改編度がひどすぎとか、霍建华はなんの演技もしていないとか、あれこれ言われます。そして、誰もがあぜんとしてしまったのが大結局(最終回)なのですが、実際に見てあぜんとしてください。

なお、この本家とでも言うべき 《花千骨》 の放映が終わると、すぐに放映が始まったのが、 《花千骨 2015》 です。

これは、原作とは関係ありませんが、《花千骨》 の後日譚で、花千骨御一行様が、穿越(タイムトリップ)して現代にやってきます。すこぶる評判は悪いのですが、本家 《花千骨》 同様、ぼくはこっちもけっこう笑いました。

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