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項羽と劉邦の物語を描く 《鸿门宴》 2011 では、項羽(冯绍峰)の愛姫・虞姬(虞美人)を演じた刘亦菲ですが、三国時代を舞台にした
《铜雀台》 2012
では、貂蝉を演じています--というのは嘘でもないのですが、刘亦菲は、曹操を殺すために、青梅竹马な穆顺(玉木宏)と共に铜雀台に送り込まれる灵雎という美女を演じています。
今年(2012年)、刘亦菲が出た映画は
《四大名捕》 2012
《铜雀台》 2012
《倩女幽魂》 2011 |
映画は、曹操と結託した呉の孫権が関羽を倒し、曹操は関羽の首と対面して、铜雀台に帰還するところから始まります。
このシーンでの曹操=周润发(チョウ・ユンファ)は、とても暴力的です。息子の曹丕と献帝を冷たくあしらい、太医にプレゼントされた美女・灵雎を抱えて寝室に入ると、灵雎をどさっとベッドに放り出します。
《孔子》 2010 |
刘亦菲と監督・赵林山 |
仲良しの灵雎と穆顺は子供のとき誘拐され、同じく誘拐された多くの子供たちと共に、武術の訓練をさせられます。子供たちは大人になって、ついに曹操打倒計画に参加することになります。
映画は、刘亦菲演じる灵雎の語りで物語が展開していきます。灵雎は铜雀台に出発するシーンを回想しながら言います。
我们所有的努力都是为了杀一个人,杀一个全天下权利最大的人。
(私たちの訓練の目的はある人間を殺すためだった。殺すべき人間とは、この世で最も権力のある人間だ)
わあ。けっこう胸が高鳴ります。
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ところで “铜雀台” とは、いったいなんなんでしょう。百度百科には、こんなふうに書かれています。
铜雀台位于河北临漳县境内,距县城18公里。这里古称邺,古邺城始建于春秋齐桓公时,三国时期,曹操击败袁绍后营建邺都,修建了铜雀、金虎、冰井三台,即史书中之“邺三台”。
(銅雀台は河北省の臨漳県に位置した、18キロ平米の都市である。ここは、かつて邺yè(鄴)と呼ばれ、春秋時代の齐桓公がここに邺城を造った。三国時代においては、袁绍を撃破した後、曹操はここに邺都という都市を造り、铜雀台、金虎台、冰井台という建設物を建てた。これは“邺三台”と呼ばれる。)
《赤壁·铜雀台》 |
东方美神 张馨予[赤壁铜雀台][春江花月夜] 古筝
「曹操が铜雀台を立て、天下の美女を根こそぎ集めようとしていることをお考えになるべきです。いま曹操は呉を攻略して、喬公の二人の娘(上の娘の大喬は孫権の亡兄孫策の妻、下の小喬は周瑜の妻)を、わがものにしようとしております。」
--「三国志演義」井波律子著(岩波新書)
こんなセリフが 《赤壁》 であったかどうかは覚えていませんが、これに挑発されて、周瑜は曹操との戦いを決意して、赤壁の戦いが実現します。今年、ぼくたちを笑わせてくれた香港のテレビドラマ《回到三国》では、小喬(二桥)は公主病という扱いになっていました。
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このブログでは三国時代ものの映画やドラマとして、こんなのを見ています。
《关云长》 孙俪 |
《赤壁(レッドクリフ)》 2008-2009
《越光宝盒》 2010
《关云长(三国志英傑伝 関羽)》 2011
《回到三国》 2012
《关云长》 2011 は、曹操(姜文)と关云长(関羽|甄子丹)についての物語でしたが、せっかく孙俪が出ているのに、第3回金扫帚奖(中国最低映画大賞)作品賞を獲得しています。
三国時代の歴史状況については、
《回到三国》 2012 - 5分でわかる三国志人物伝
《轩辕剑》 2012(2) - 隋朝と関隴集団・拓跋族
《超时空要爱》 |
まずは、貂蝉diāochánの物語です。漢末の混乱において、董卓が権力を握ります。董卓を補佐するのが、無茶苦茶強いけれど頭は強くない呂布です。董卓一派は、漢末混乱の大きな要因である宦官を皆殺しにします。
《越光宝盒》 孙俪 |
《回到三国》 |
伏皇后と伏完 |
どんな映画やドラマでも、情けなく描かれるのが献帝です。この人の奥さんが官僚・伏完の娘である伏皇后です。献帝一派は実権を握る曹操に不満なわけで、曹操に対するクーデターも企てます。
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ただし、後半になると華麗なる映像は華麗なのですが、ちょっと飽きてきます。これは、曹操の暴力性がちょっと薄れて来るからかもしれません。
なお、この映画のシナリオは、こんなふうにつくられたのだと監督の赵林山は語っています。
曹操のお墓(曹操墓) ? ? ? |
彼は、この物語が“不神话不穿越(おとぎ話しでもないし、タイムトリップものでもない)とも言っています。
劉亦菲 - 等雪來(电影《铜雀台》主题曲)MV
《铜雀台》终极预告片