2012年7月31日火曜日

《赤壁(レッドクリフ)》 2008-2009 -略懂略懂




赤壁 上》は、胡军扮する子龙が阿斗をかかえて、まるで《天龙八部》の萧峰みたいな勢いで敵を斬りまくるあたりから始まります。

わあ、久々に超大作映画というのを見ました。このブログでも三国志ものはいくつか見ています。

超时空要爱》 1998
越光宝盒》 2010
关云长(三国志英傑伝 関羽)》 2011
回到三国》 2012

とりわけ、《回到三国》 は、ぼくのお気に入りです。誰にも省みられることはないのかもしれませんが……。

《关云长》は孙俪が出ているので見ただけでどうでもいいのですが、問題は《超时空要爱》と《越光宝盒》です。

《超时空要爱》は、ニヒルな刑事(梁朝伟)と、下っ端ヤクザのカップル、カップルの仲間のヤクザ、自殺した女の子、三国時代から穿越してきた关羽(関羽)の魂に乗っ取られた京劇役者とそのかつての相方、なぜか事件に巻き込まれてしまったおっさんの8人が、三国時代に穿越(タイムトリップ)してしまう物語でした。

《越光宝盒》は、牛魔大王の騒ぎに巻き込まれた孙俪と郑中基が三国時代に穿越してしまう物語でした。あら? ふと気づくと、いったい二人はいつの時代から穿越したのでしょうか? 牛魔大王が月光宝盒を持っていたわけで、もとの時代は西遊記の舞台である初唐だったのかもしれません。

ぼくがお気に入りの、《回到三国》は、诸葛亮をアイドルとあおぐ香港の三国志ゲームおたくが、三国時代に穿越(タイムスリップ)してしまう物語です。

《越光宝盒》と《回到三国》をより楽しむためには、《赤壁》を見ておいたほうがよかろう--というようにも思います。

《越光宝盒》の诸葛亮はしきりに“略懂略懂”を繰り返すので、《赤壁》の诸葛亮が“略懂”というセリフを言うところも見たかったのでした。もちろん、《回到三国》の诸葛亮も“略懂”を口にします。

ぼくはいつも、刘备-关羽と刘邦-项羽が、どっちがどっちだったか、誰が誰だったかわからなくなってしまいます。なんとなく名前が似ているからです。

西晋の陈寿が書いた《三国志》をベースに、《三国志》にまつわるあれこれな物語があれこれな形で書かれたり語られたりするわけですが、その集大成がフィクション《三国演義》ということになるようです。

《三国志》を語るお話のひとつに、《新全相三国志平話》というのがあります(14世紀、元の時代)。全相というのは照相の相(4声)であって、全部のページに絵が入っているよという意味だそうです。

この物語の冒頭では、司馬仲相という書生が天界の天帝に呼び出され、ある事件の裁判官になります。被告は漢の始祖・高祖(刘邦)とその妻・吕后、原告は漢帝国成立後次々に殺された功臣である韓信、彭越、英布の3人、証人は蒯通という論客。

司馬仲相がどういう判定をしたのかというと、韓信を曹操、彭越を刘备、英布を孙权、蒯通を诸葛亮に転生させ、刘邦と吕后は献帝とその妻伏后に転生させるというものだったそうです。

--参考文献:「三国志演義」(井波律子)岩波新書

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