2015年5月10日日曜日

战狼 2015|ハリウッド映画に匹敵する、中国映画を超えた中国映画



全編ほぼアクションシーンを繰り広げる映画が、今年(2015年)の4月2日に公開された

战狼 2015

です。かなりヒットして、けっこうな高評価も得ています。

ぼくがこの映画を見たいと思ったのは、刘镇伟(ジェフ・ラウ)が新浪でこの映画をほめていたからです。映画監督が、よそ様の映画を高く評価するのは珍しいことのように思います。

どんな映画かというと、人民解放軍の特殊部隊が国境近くで悪の組織と死闘を演じます。どこにでもありそうなテーマなのですが、実際に見てみるとなんで刘镇伟がこの映画をほめたのかが良くわかります。

それは、この映画がはじめて中国映画を超えた映画だからです。香港の監督がハリウッドで映画を撮ったからといって、それはやはり中国映画です。というより、中国映画よりもっと中途半端な中国映画だったと言ったほうがいいでしょう。


じゃあ何が中国映画なのかというと、中国映画だから中国映画なのだとしか言いようがないように思います。

アメリカ映画はアメリカ映画だからアメリカ映画なのであり、日本映画は日本映画だから日本映画なのです。

そして、中国人は、中国人としてアメリカ映画を誤解しています。もちろん、アメリカ人だってアメリカ人として中国映画を誤解しています。

アメリカで最もヒットした中国映画が、あのろくでもなくつまらない 《グリーン・デスティニー(卧虎藏龙)》 2000 だというのが、そのいい例でしょう。

もちろん、ぼくたち日本人だって、中国映画やアメリカ映画を大いに誤解しているはずです。

アメリカ人が出演して英語をしゃべれば、それだけでアメリカ映画風になるわけではありません。この件では、王家卫(ウォン・カーウァイ)も  《マイ・ブルーベリー・ナイツ(蓝莓之夜)》 で大失敗しています。

この 《战狼》 2015 は、中国人が監督して、中国人が出演して、中国で撮影した、ハリウッド映画に匹敵する娯楽映画と言っていいでしょう。

刘镇伟は、この映画の安易なアンチテロ主義や安易な愛国主義に感動したわけではなく、このことに驚いたはずです。


主演しているのは、吴京という人です。中国や香港には武術家あがりの人気役者が少なくないわけですが、吴京もそのひとりです。

吴京は、これまでも自分の主演作の監督を手がけているのですが、この映画でも監督をやっています。

百度の中国内地男明星人气榜では第45位なので、けっこう人気があります。日本でもそこそこ知られているのかどうか、ぼくは知りません。

吴京が演じる冷锋がどんないきさつで軍隊を首になり、龙小云という女隊長が率いる特殊部隊战狼に入ることになるのか? 龙小云を演じているのは余男という役者ですが、もちろん女性です。

あるいは、どんないきさつで演習のはずが実戦になってしまうのかとか?

そもそもの事の発端とこの実戦はなんの関係があるのかとか? そういった事は実際に見て楽しんでください。そして、この映画のどこがハリウッド映画に匹敵するのか、それも見てのお楽しみです。


中国のお金をふんだんに使った3D映画は、ことごとく失敗してきました。

たとえば、甄子丹が主演した昨年(2014年)のお正月映画 《西游记之大闹天宫》 とか、やはり甄子丹の 《冰封:重生之门》 2014 などです。

この 《战狼》 も3D映画なのですが、超大作というほどのお金はかけていません。3Dでこの映画を見たわけではありませんが、3Dの出来も悪くはないように思います。

最後のほうの尻すぼみ感は否めませんが、吴京が次に監督する映画が楽しみです。

战狼 Wolf Warriors 2015 预告片


你来不来 电影 战狼 主题曲 孙楠 HD


吴京新戏《战狼》拍摄现场 16分钟超长版

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