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中国のテレビドラマについて語るのであれば
武林外传 2006
は必見でしょう。中国人ならば誰だって葵花宝典を知っているわけですが、このドラマに登場する葵花点穴手も、たくさんの人が知っています。
面白いテレビドラマがないとき、ネットでは昔のテレビドラマが人気になります。この 《武林外传》 も、そんなとき人気上位に上がってきます。
百度百科では、このドラマは暴力を肯定する武侠ものではなく、むしろ暴力を否定して、人の気持ちを大切にするドラマであるというふうな話が書かれていたこともありました。
どんな物語かというと、龙门镖局の千金が衡山派の掌门に嫁いで来るのですが、なんとだんなになるべき人は一家皆殺しにされてしまっていたのです。生き残っていたのは、だんなになるべき人の一番下の妹だけでした。
彼女はほぼ倒産している小さな旅館(客栈)を買い取り、旅籠の女将になります。この旅籠を舞台に、いわゆる人情喜劇が展開します。
いわゆる人情喜劇というのは、上位の立場からの人間の肯定になってしまいます。それが最大の欠点といえば欠点なのですが、そういうことを言っていると中国ドラマは楽しめなくなってしまいます。
登場人物を、簡単に紹介しておきましょう。
佟湘玉:旅籠=同福客栈の掌柜(女将)です。演じているのは闫妮yánnīです。このドラマは配音(吹き替え)かどうかはわかりませんが、掌柜=闫妮の発音はいかにも南方ふうになっています。
カタカナで書いてしまうと、ウオシがウオスとなります。中国のテレビドラマとか映画は配音(吹き替え)でなまり(方言)をすべて解消してしまうのですが、このドラマでは方言を強調しています。
このおばさんは、どこかで会ったことがあります。ああ。そうそう。《画皮》 の正式な続編というべき 《画壁》 における、あの憎たらしい咕咕です。
白展堂(沙溢):江湖のチンピラ泥棒で、葵花点穴手を駆使します。佟湘玉の旦那のふりをしたのが縁で、江湖を引退して、同福客栈に居ついてお仕事をしています。
葵花点穴手は、もちろん金庸-笑傲江湖-葵花宝典由来のネーミングです。このドラマの登場人物たちは、とても金庸ドラマに詳しく、杨过と小龙女の物語だって知っています。
郭芙蓉(沙溢):この名前は、《神雕侠侣》 の黄蓉+郭芙と解釈しておくべきでしょう。パパは一代大侠なのですが、同福客栈が黑店であると認識して、同福客栈を襲撃します。しかし、同福客栈のみんなにいじめられて、同福客栈で働くことになります。
吕秀才(喻恩泰):科挙を目指す勉強ばかりしているため、家業の客栈には客がさっぱり来ません。佟湘玉に客栈を売り渡します。郭芙蓉に惚れてしまい、ちょっかいを出すのですが、とりあえずは郭芙蓉にはその気がありません。
李大嘴(姜超):同福客栈の板前さんです。何かの縁で同福客栈にやって来たわけではなく、小贝が一声「コックさん。来い!」と叫ぶや、やって来たのでした。
莫小贝(王莎莎):佟湘玉の結婚相手である衡山派掌门の莫小宝の妹です。つまり、小贝にとっては佟湘玉は嫂子ということになります。子供なので学校に通っていますが、学校では八大派们の盟主です。
邢育森(范明)と燕小六(肖剑):時代劇には欠かせない捕快(岡っ引き)コンビです。中国の岡っ引きなので、ほとんど仕事はせずに、同福客栈に入り浸っています。
祝无双(倪虹洁):ぼくは第20集くらいまでしか見ていないので、まだこの祝无双には出会っていません。葵花派きっての腕達者のようで、恋多き女なんだけど、いずれも成就しない役どころのようです。
《武林外传》 の映画版もあります。小贝以外は、みんなそれぞれの役で出ています。
武林外传(电影版) 2011
佟湘玉と白展堂、吕秀才と郭芙蓉はすでに幸せな夫婦になっているわけですが、この映画はろくでもありません。
テレビドラマの 《武林外传》 は同福客栈とそのちょこっと周辺だけのセットの中ですべてのドラマが展開します。しかし、映画版 《武林外传》 は、同福客栈の外部に出かけてしまったのが失敗の最大の理由でしょう。
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