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美人制造 2014|于正、最大の危機を迎える
では、今年(2014年)の春に放映された 《宫锁连城(宫3)》 の盗作問題で訴えられ、于正が危機を迎えていることを紹介しました。
12月25日、北京市第三中級人民法院は、自分の 《梅花烙》 が盗作されたとして訴えた琼瑶の主張を認め、被告である計5人に500万元(約9700万円)の損害賠償の支払い、ドラマ作品の放送やPR、販売の禁止を命じたそうです。
ただし、于正側はこれを不満として控訴する模様です。
さらにはおまけで、周浩辉という作家が、《美人制造》 は自分の 《邪恶催眠师》 の盗作であるとして、訴えるそうです。
习大大が目指しているのは、すでに中国は大国であり、世界各国は中国の言うことをきちんと聞け、ということのように思います。なんだかんだ、とてもわかりやすい政策です。
中国の経済は多くの矛盾をかかえているわけですが、これを打開するための手立ての一つが中国企業の海外進出だと思います。
しかし、中国が世界の一流国として認められるためには、いくつかの問題があります。そのなかの一つが、著作権に関する問題でしょう。
極端に言えば、“著作権などという問題は、この世に存在しない” というのが、中国の伝統的な思想です。それはそれで、とても筋が通っています。
だからこそ 《西游记》、《三国演义》あるいは 《封神榜》 といった物語が存在しているわけです。
ところが、そんなこんなで、来年(2015年)の4月からは、正式な許可を得ていない外国ドラマのネットでのアーカイブは禁止されます。
“一流国というか、普通の国になるっていうのは、そういうことなんだよ!” ということなのでしょう。
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于正は、昨年(2013年)霍建华版の 《新笑傲江湖》 2013 の放映中だったか放映直後だったかに、《神雕侠侣》 の制作を発表しました。
このとき于正は、“自分は 《神雕侠侣》 おたくなので、 《神雕侠侣》 では 《新笑傲江湖》 のような大胆な改編をすることはないと言っていました。
もちろんこの発言は、原作に忠実な 《新神雕侠侣》 を描くという意味ではなく、东方不败が女だったというような極端な改編はしないという意味でしょう。
そんなわけで、ぼくたちは于正版 《新神雕侠侣》 を見るのを、とても楽しみにしていました。
神雕侠侣 2006 |
神雕侠侣 2006
のように思います。ぼくもこのドラマで、はじめて 《神雕侠侣》 を見ました。
ただし、原作を読んでいないぼくには、けっこうわからないところがありました。たとえば
武三通 |
・ 李莫愁と陆展元(および何沅君)の関係
・ 武三通をめぐるあれこれ
・ 孤独求败とは誰なのか
といった 《神雕侠侣》 2006 では詳しく語られなかった部分を、于正はけっこうていねいに描いていきます。
もっとも 《射雕英雄传》 を飛ばして 《神雕侠侣》 を語っているわけですから、そうなるのも当然のようには思います。ただし、それが原作と同じなのかどうか、ぼくは知りません。
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《神雕侠侣》と言えばある意味、小龙女以上に楽しみなのが李莫愁の暴れっぷりでしょう。外の世界にあこがれてしまった李莫愁は、ついに古墓を飛び出してしまいます。
杨过や小龙女、郭芙たちは子役として登場するのですが、李莫愁はいきなり张馨予が演じています。
封神英雄版|妲己 |
今や悪女と言えば张馨予ということになっていますが、中国最大の悪女と言えば武则天でしょう。今(2014年12月末)范冰冰の武则天もの 《峨眉娘传奇》 が放送されていて、张馨予はこっちにも参加しています。
あるいはまた 《鹿鼎记》 2014 も放映中で、こちらでは神龙岛教主夫人をやっています(まだ登場していませんが…)。
彼女が韦小宝のどの奥さんになるかといったら、やっぱりこのおばさんしかないように思います。
今回の李莫愁が操るのは、ただの毒針ではありません。“冰魄银针” といって、この氷の毒針を刺されると、人は凍って粉々にくだけてしまいます。
《神雕侠侣》 の悪女と言えば李莫愁であり、《射雕英雄传》 の悪女と言えば梅超风です。タイトルバックを見ているとわかるのですが、このドラマには梅超风も登場します。
梅超风は、《射雕英雄传》 ですでに死んでいるはずです。
回想として出てくるのか、生きて登場するのかわかりませんが、楽しみにしておきましょう。
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金庸ドラマを見ていると、主人公の二人がこれからどうなっていくのだろうと思うことがままあります。同時に、このおやじはどんな若者だったのだろうと思うこともあります。
王家卫(ウォン・カーウァイ)が黄药师や欧阳锋などの青春時代を描いた映画が 《东邪西毒(楽園の瑕)》(1994)でした。
この映画の撮影が一向に進まないため、刘镇伟が同じテーマ・役者でちょろっと撮ってしまったのが 《东成西就(大英雄)》 1995 という傑作でした。
于正は、この 《神雕侠侣》 で洪七公と欧阳锋の青春を語ります。金庸ドラマでたとえ悲劇が描かれても、けっこうカラっとしています。しかし、于正はどうしてもお得意のじとっとしたメロドラマに持ち込んでしまいます。
例の雪山のシーンで、洪七公も欧阳锋も若き日々に女を好きになったことが判明します。しかし、偶然と勘違いから結ばれません。
洪七公にいたっては、女に仇と誤解され、一生、女に命を狙われています。ついには、雪山で女に刺され……。
ドラマはまだ三分の一弱なので、まだ瑛姑は登場していません。なのに、いったい何人が一瞬にして髪の全てが白髪になったことでしょう。
李莫愁と小龙女 |
ほかにも、あれこれ金庸ネタを使いすぎだよなあとは思います。
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このドラマは水曜と木曜の夜に2集ずつ放映されるので、大結局はたぶん来年(2015年)の3月のはじめ頃でしょう。
第16集まで見終わって、今晩には第17集と第18集が放映されるわけですが、もう見るのはやめましょう。来年の春に、全部まとめて見ようと思います。
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