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《致青春》 は赵薇(ヴィッキー・チャオ)の監督デビュー作です。正式タイトルは
致我们终将逝去的青春 2013
ですが、タイトルが長いので 《致青春》 と呼ばれることのほうが多いようです。ベストセラーの同名小説を映画化したものです。
昨年(2012年)、周迅が梁朝伟主演のキョンシー映画を監督するという噂が流れましたが、実際に監督デビューしたのは赵薇だったわけです。
今年の中国映画は春から絶好調です。1月に公開された 《人再囧途之泰囧》 が国産映画の記録を塗り替え、この記録を2月春节に公開された周星驰の 《西游・降魔篇》 が塗り替えています。
そして、この 《致青春》 は4月26日に上映され、《西游・降魔篇》 には及ばないものの 《人再囧途之泰囧》 の記録は突破した模様です。
お金持ちと結婚して、子供もできて、《画皮2》 もヒットして、何ひとつ不満のない赵薇が、じゃ、今度、わたし、映画作るわ~! --ということで、監督になったのでしょう。でも、彼女は昨年(2012年)、きちんと北京电影学院監督科の修士を卒業しています。
中国で映画監督になるには、映画学校を卒業していることが必須ではないように思います。でも、たいていの映画監督は映画学校の監督科を卒業しているように思います。
百度百科の 《致青春》 のページで、誰かが、中国映画は青春ものにおいて、日本や韓国、台湾にはるかに負けていると書いています。なるほど、そうかもしれません。
青春ものというよりは、学園ものと言ったほうがいいかもしれません。
現在、中国で90後な学園もの映画をつくっているのが、80後生まれな管晓杰です。このブログでは、こんなのを見ています。
《青春期》シリーズ
《上位》 2013
たいして出来のいい作品ではないのですが、90后のお気楽な学園生活を描いている部分もあるので、それなりに支持されているようです。
中国において学園もの映画が少ないとしても、学園ものテレビドラマはあるのではないか? そうです。あります。でも、中国の若者たちは韓国や台湾や日本の学園ドラマのほうが好きです。だって、韓国や台湾や日本の学園ドラマのほうが面白いからです。さらには、香港もの青春映画を付け加えてもいいでしょう。
え| 赵薇が90後な学園青春映画を作ったの? -- もちろん違います。原作がどうなっているのかは知りませんが、この映画は70后の青春群像を描く映画なのです。そりゃそうでしょ。赵薇自身が70后だからです。
この映画を見ていると、陈凯歌とか张艺谋がどうのこうといった昔話を思い出してしまいたくなります。あるいは、もっと最低な侯孝贤だって思い出してしまいそうになります。
赵薇が、今さら中国伝統のつまらない青春映画に回帰したからといって、どんな意味があるのでしょうか。
陈凯歌は凡庸な映像しか撮れないわけですが、ロリコンな张艺谋と侯孝贤は、ときにはドキッとした映像も見せてくれます。この赵薇の映画でドキッとさせてくれるシーンがあるのかというと、まったくありません。
百度百科の記事では、不況な中国青春映画に、この映画が貴重な一石を投じたみたいなことが書かれています。実のところ、陈凯歌とか张艺谋とか侯孝贤よりも最低な映画が誕生しただけであると言っていいでしょう。
個人的な唯一の見どころは、佟丽娅が出ていることです。《宫锁心玉》 の佟丽娅はとてもすてきでした。彼女は、やっぱりかわいそうな役どころに選ばれてしまうのでしょう。
今のところ(2013年5月)、来年度の金扫帚奖(中国ごみ映画大賞)の最有力候補は、この映画と周星驰の 《西游・降魔篇》 だと思います。こんなのって、あまりに日本人すぎる視点?
そうじゃないんです。権威好き(摆架子)な70后以前は周星驰とか赵薇とかいう名前にころっと負けてしまいます。しかし、本音を素直に言える80后や90后は、こんなのまったく評価していません。
ほんと? -- そんなふうに思ったなら、80后や90后の中国人と、実際にお話ししてみてください。
王菲 - 最新單曲 《致青春》
鲁豫有约_20130501_赵薇 致青春
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