2015年5月15日金曜日

活佛济公 ・ 第一部(第一季) 2010|济公(陈浩民)と愉快な仲間たち



仙界から反逆者大鵬を退治するために、下界に天下ってきた十八羅漢の一人降龙罗汉が、济公として妖怪退治に大活躍するお笑いドラマが 《活佛济公》 シリーズです。

中国において济公がどんなヒーローであるのか? 十八羅漢ってなんだ? といったことについては、こっちの記事を見てください。

活佛济公 第一季 2010| 陈浩民の妖怪ドラマは、なぜ説教臭くないのか

《活佛济公》 シリーズは、5話くらいでひとつのエピソードが描かれます。したがって、このドラマの登場人物は、全編にわたって登場・関係する人物と各エピソードだけに登場する人物に分かれます。

この記事では、《活佛济公 第一季》 で全編を通して活躍する人(妖怪)たちを紹介してみましょう。


济公(陈浩民

罗汉の化身である李修缘はすくすくと育って幼なじみの胭脂との結婚式当日、突然、自分の役割を思い出して花嫁をほっぽり出して灵隐寺に出家してしまい、道济という名前をもらいます。

困っている人を助け、悪さをする妖怪をこらしめる道济は、人々から“济公”、“活佛”、“圣僧” などと呼ばれ、崇められるようになります。

ただし、本人は人からそう呼ばれるとそれを嫌い、“压力大” と言いながらあくまでお笑い路線を通します。

いつも乞丐(こじき)のような格好をしていて、いつも酒を飲んでいて、肉も大好きです。住持(住職)も、济公の功績が大きいので見逃してくれています。


大鹏鸟(张弓

大鹏(鸟)というのは、いわゆる鳳凰のこととか、あるいはインド仏教の三大主神のひとつで天龙八部のひとつであるとか、あれこれの説があるようです。とにかく、体もパワーもでかい鳥です。

この大鹏が仙界で反逆を起こし、宝物を破壊してしまい、宝物殿の護衛・灵禅子を殺してしまいます。

しかし、十八羅漢が大鹏を捉えて、胖仙童と瘦仙童に大鹏の見張りをさせます。ところが、大鹏はドジな胖仙童と瘦仙童を騙して逃げてしまいます。

なお、大鹏は日本人にとってはあまりなじみがないように思いますが、《西游记》 や 《封神演义(封神榜)》 などにも登場します。


广亮(林子聪
必清(高昊

大鹏を逃してしまった胖仙童と瘦仙童は、罰として下界に天下り修業を積むことになります。もちろん林子聪演じる广亮が胖仙童で、必清が瘦仙童です。

广亮は监寺という、住持(住職)の次に偉い僧侶たちのまとめ係で、必清は一般の僧侶です。

仙界でドジだったようにもちろん下界でもドジです。このコンビが、いわばこのドラマの狂言回しです。

广亮を演じている林子聪は、周星驰の 《少林足球》 で名前を売り出します。したがって、香港の人です。香港TVBにシナリオライターとして入社しますが、すっかり役者になってしまったようです。

とはいえ、シナリオ作品や監督作品もいくつかあります。

たとえば、《仙剑三》 で霍建华と競演したのがきっかけなのでしょう。霍建华主演の 《超时空救兵》 を監督しています。あるいは、マンガ版 《少林足球》 の原作とかもやっています。

《活佛济公 第一季》 は2010年の8月に放映が始まっています。この年の2月(春节) 《仙剑三》 が放映されています。そんなわけで、林子聪は2010年に2つの経典ドラマが放映されたことになります。


白灵(杨雪

このドラマは、陈亮という若者がキツネ妖怪である白灵に憑かれるところから始まります。白灵がなんで陈亮にこだわるのかというと、実は陈亮と白灵はかつて恋人同士だったのです。

その後、陈亮は何度か転生して、白灵はついに現在の陈亮を発見したのです。それだけなら 《聊斋志异》 的なお話で終わるのですが、実は白灵は妖怪の大親分ともいうべき乾坤洞主の弟子であり、あれこれの悪さを命じられています。

こうして、《活佛济公》 は単なる妖怪退治の物語では、人間と妖怪の交流物語としても語られていくことになります。


陈亮(张亮

济公に助けられた陈亮は、济公の弟子となって、いつも济公にお供します。事件があるごとに白灵に絡まれるのですが、白灵からいつも求愛されているうちに、陈亮はだんだんと白灵にまんざらでもなくなっていきます。

それなりに武功も身につけ、それなりに妖怪と戦えるようになっていきます。そして、もうひとりの男が、济公と陈亮にからんできます。


赵斌bīn(林江国

赵斌は、はじめは何かと济公と陈亮にちょっかいを出してきます。実は、赵斌は仙界で大鹏に倒されてしまった灵禅子が転生したのが赵斌なのです。

陈亮と赵斌は、だんだんと意気投合するようになり、義兄弟といった関係になっていきます。ただし、赵斌が济公に弟子にしてくれと頼んでも、济公にいつも断られてしまいます。


白雪(馨子

乾坤洞主の弟子には、あれこれの系列があります。白灵の师兄が黑风(娄亚江)であり、黑风は白灵にけっこう気があるのですが、白灵が好きなのはもちろん陈亮です。そして、白灵の师妹が白雪です。

白雪はうさぎの妖怪なので、ニンジンが大好きです。あまり修業を積んでいないので、たいした術は使えません。白雪は赵斌に一目惚れしてしまい、いつの間にか济公組の一員になって
しまいます。

陈亮と赵斌もけっこうボケ役ではあるのですが、广亮と必清、そして白雪が三大ボケ役として、ぼくたちを笑わせてくれます。


胭脂(陈紫函

仙界から逃げ出した大鹏がどうなったのかというと、乾坤洞主の弟子になったのです。弟子とはいえ特別な弟子のようで、大鹏自身も弟子を持っています。

そのひとりが圣德(严屹宽)で、元々は仙界の“火灵珠”です。下界に遊びにきたとき、カラスガイ(蚌bàng)の妖怪と恋に落ちてしまいます。しかし、蚌精を救うため内丹を使ってしまい、魔道に入ってしまいます。

大鹏のもうひとりの弟子が胭脂で、胭脂が誰かというと济公がほったらかしにしてしまった花嫁です。周囲から、济公が出家してしまったのはお前のせいだと責め立てられた、胭脂はついには崖から身を投げてしまいます。

このとき、胭脂を助けたのが大鹏です。胭脂は大鹏の弟子となり、修缘(济公)への復讐を誓います。

天天有事
胭脂を演じている陈紫函は、この 《活佛济公 第一季》 以降、陈浩民の妖怪ドラマの常連メンバーとなります。

陈紫函が誰かというと、《神雕侠侣》 2006 の郭芙で、郭襄(杨幂)の性質の悪いお姉さんです。けっこう金庸ドラマにも出ていて、《笑傲江湖(台湾+香港版)》 2000 では蓝凤凰を演じています。

この 《笑傲江湖》 は、日本では 《スウォーズマン 笑傲江湖》 という4巻もののダイジェストDVDが流通しています。ただし、45分×52話のドラマを90分×4にダイジェストしているので、なにがなんだかまるでわかりません。

最近では 《古剑奇谭》 2014 で红玉を演じていたので、《古剑奇谭》 を見た人にはおなじみかもしれません。でも、ちょっと存在感が中途半端でした。


心兰(张檬

これまでの登場人物はシリーズ一貫して活躍しますが、最後にあるエピソードにだけ登場する张檬を紹介しておきましょう。孙俪と杨幂がテレビドラマから姿を消してしまった今、テレビドラマの女王は混とんとしていますが、张檬は女王候補のひとりです。

张檬は、若旦那が妖怪と浮気してしまうエピソードで、おしとやかな奥さんを演じています。

古剑奇谭
《古剑奇谭》 2014 では、方兰生のお姉さま如沁を演じていました。《天龙八部》 2013 では、王语嫣です。方如沁も王语嫣も活発な役ではないので、あまり目立っていませんでした。《鹿鼎记》 2014 では双儿だったので、この张檬はけっこう楽しめます。

これからも、あれこれのドラマで张檬と出会うことになるでしょう。

活佛濟公1片尾曲 - 忘了算了

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