2013年9月23日月曜日

侠客行 1989 -- トニー・レオンのお笑いドラマ(周星驰とは梁朝伟の下手な猿真似である)


鹿鼎记 1984
80年代はじめにデビューした梁朝伟(トニー・レオン)は、80年代は主にテレビドラマで活躍します。

たぶん 《侠客行》 1989 が最後のテレビドラマで、以降は世界の映画スターの道を歩みます。

梁朝伟の80年代香港TVBの主なテレビドラマはこんな感じです。()内は、百度百科に書かれている注釈とか評価です。

英雄出少年 1982 (デビュー作)
天降财神 1983 (出世作)
鹿鼎记 1984 (经典代表作)
新扎师兄 1984 (经典代表作)
倚天屠龙记 1986 (经典代表作)
绝代双骄 1988 (经典代表作)
侠客行 1989 (经典代表作)

倚天屠龙记 1986
このブログでは、百度百科が经典代表作と評価している古装戏である

鹿鼎记 1984 (金庸)
倚天屠龙记 1986 (金庸)
绝代双骄 1988 (古龙)
侠客行 1989 (金庸)

を見ています。もちろん、永遠の大傑作こそは 《鹿鼎记》 1984 なのですが、ほかの3つもとてもすてきなお笑いドラマです。

誰もが知る梁朝伟は二枚目ヒーローなわけですが、80年代テレビドラマにおける梁朝伟はお笑いスターでもあったわけです。

梁朝伟が王家卫と関わりつつも、二枚目ヒーローな映画スターとなった後、お笑いものをやっていないのかというとそういうわけでもありません。

绝代双骄 1988
このブログでは、梁朝伟のお笑い映画として

東成西就 1993
正牌韦小宝之奉旨沟女 1993
超时空要爱 1998

を見ていますが、他にもあることでしょう。

《東成西就》 が映画史上の大傑作であることは言うまでもないでしょう。《正牌韦小宝之奉旨沟女》 では、我らが韦小宝は当時のロシアの最新技術をもって、現代にタイムトリップしています。また 《超时空要爱》 では梁朝伟ご一行様は、三国時代にタイムスリップしたのでした。


侠客行 1989
梁朝伟が 《侠客行》 でお笑いスターを卒業するのとほぼ同時に、お笑いスターとして君臨するのが周星驰です。

梁朝伟と周星驰はもともとのお友達であり、周星驰が梁朝伟を誘って、いっしょに香港TVBに入ったのは有名なお話だと思います。

こうして80年代の梁朝伟のお笑いテレビドラマを見て、今さら周星驰の90年代のお笑い映画を見ると、周星驰のお笑い演技とは梁朝伟のお下品な猿まねであることがよくわかります。

ぼくたちは、愛にだまされてしまうことにくれぐれも注意しなければなりません。とりわけ 《少林足球》 こそは、周星驰の化けの皮がすべてはがれた最低の映画でした。

周星驰にだまされているのは日本人だけではなく、もちろん多くの中国人もそうです。今年の春节、周星驰ひさびさの新作 《西游・降魔篇》 が公開され大ヒットしました。

东成西就 1993
これって中国人全部が集団催眠術にかかっているようにしか思えません。だって、見た人はわかると思いますが、どこが面白いのか、ぼくにはまるでわかりませんでした。

特につまらない中国映画を配給するのがお得意な日本の映画配給会社さえ、これを日本で上映する勇気はないようです。

もちろん、すべての中国人が集団催眠術にかかっているわけではなく、冷静にこの映画がとんでもなくつまらないと思っている個人だってたくさんいます。



正牌韦小宝之奉旨沟女 1993
話を梁朝伟のお笑いテレビドラマに戻しましょう。

梁朝伟はぶっ飛ばされようが、発情しようが、怒鳴り散らそうが、はにかもうが、いつだってお上品です。

もっとも特徴的な動作のひとつが、実によくぶっ倒れることです。なんでぶっ倒れるのかというと、いずれのドラマにおいても武功に真剣に取り組もうとしないからです。

もうひとつの特徴的な動作が、怒鳴りまくりsyばりまくることです。これは危険から見を守るため、とにかく口八丁でなんとかその場をしのごうとするからです。しのげなかった場合にはぶっ飛ばされます。

食い方が汚いのも大きな特徴と言っていいでしょう。ごはんを撒き散らしながら、馒头を食いちぎりながら大騒ぎをします。

また、お行儀も大変よくありません。椅子に座ると、たいていは一方の脚も椅子の上に乗せて片膝を立てて、相手を見下したような態度を取ります。

超时空要爱 1998
行動は軽薄なのですが、悪巧みには長けています。困ったときの顔は、この人でなければできない顔でしょう。しかし、困った顔をしながらも次の手を考えていて、それが通用するときもあれば、通用しないこともあります。

趣味は博打と女の子で、とにかく女の子によくもてます。もてはするのですが、しっとりロマンチックな恋には発展せずに、じゃじゃ馬女たちをなんだかんだてなづけていきます。

これらのイメージは、もちろん 《鹿鼎记》 由来のものであり、《鹿鼎记》 が80年代の梁朝伟のお笑いドラマをすべて方向づけたというわけです。

周星驰だと、こういうわけにはいきません。周星驰だって韦小宝を演じたことはあるわけですが、虎の帽子をかぶるとか、身振りがやたらでかくなったりとか、極端なセリフとか、サングラスをかけるとか、そういうのが必要になってしまいます。

そういえば全部は見ていないのですが、 《鹿鼎记》  2008  の黄晓明もサングラスに頼っていたように思います。


もし、機会があれば80年代にトニー・レオンが展開したお笑い古装ドラマを、ぜひ見ていただきたいと思います。

周星驰の映画というのは何本かを除いてもはや鮮度を保っていないわけですが、梁朝伟のお笑いドラマは今でもとても新鮮なことがよくわかるはずです。

また、日本で紹介されてきた香港映画情報、あるいは大陸や台湾の映画情報がいかにねじ曲げられたものだったかということも、よくわかります。


以下、金庸ものを中心とした関連記事をまとめておきます。

笑傲江湖 1984 (周润发)
鹿鼎记 1984 (梁朝伟)
倚天屠龙记 1986 (梁朝伟)
绝代双骄 1988 (梁朝伟)
侠客行 1989 (梁朝伟)
笑傲江湖 1990许冠杰
九一神雕侠侣 1991 (刘德华)
九二神雕侠侣之痴心情长剑 1992 (刘德华)
鹿鼎记 1992 (周星驰)
鹿鼎记Ⅱ神龙教 1992 (周星驰)
東成西就 1993 (刘镇伟)
碧血剑 1993元彪
正牌韦小宝之奉旨沟女 1993  (梁朝伟)
东邪西毒 1994 (王家卫)
神雕侠侣 1995 (古天乐)
笑傲江湖 2001 (李亚鹏)
射雕英雄传 2003 (李亚鹏)
神雕侠侣 2006 (黄晓明・刘亦菲)
碧血剑 2007 黄圣依
射雕英雄传 2008 (胡歌)
新笑傲江湖 2013霍建华陈乔恩

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