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中国の4大奇書といえば《三国志演義》 《水滸伝》 《西遊記》 《金瓶梅》ということになっています。
日本では、《金瓶梅》の代わりに《紅楼夢》が入れられることもある--などと語られているようです。しかし、“奇書 ”というネーミングをしたのは日本人くさいようです。“奇书”という言葉は、中国では一般的な言葉ではないみたいだからです。
それでも“明代四大奇书”というような言葉はあるようです。
ただし、“四大名著”という言葉はあります。百度百科では“中国四大名著” “欧洲四大名著” “马克吐温的四大名著” “武侠小说的四大名著”などあれこれな四大名著が説明されています。
“马克吐温”って誰? 《哈克贝利·费恩历险记》とか《汤姆·索亚历险记》という作品を書いています。発音しながら、あれこれ想像すると“马克吐温”とはマーク・トウェインのことで、《哈克贝利·费恩历险记=ハックルベリー・フィンの冒険》、《汤姆·索亚历险记=トム・ソーヤーの冒険》ということがわかると思います。
では“欧洲四大名著”ってなんでしょう?
その第一が《荷马史诗》となっています。“是古希腊最著名和最伟大的诗人(古代ギリシャにおける有名で偉大な詩人)”ということで、つまりは日本語だとホメーロスのことでしょう。《荷马史诗》とは作品名ではなく“ホメーロス(荷马Hémǎ)の叙事詩”という意味でしょう。《伊利亚特=イーリアス》、《奥德赛=オデュッセイア》ということになります。
第二の《神曲》は、漢字を見ればわかります。
第三の《哈姆雷特》は、やっぱり何度か発音しているとハムレットだとわかります。
最後の《浮士德》がわかりませんでした。百度百科によるとドイツの有名な文学者“歌德”の作品とあります。たぶん“歌德”とはゲーテでしょう。しかし《浮士德Fúshìdé》という音は、ファウストにはどうしてもつながりませんでした。
さて、語るべきは“中国四大名著”には入れてもらえないのだけれど、とても有名だという物語です。《封神演义》(百度百科 日本語ウィキペディア)というタイトルです。百度百科には俗称《封神榜》、又の名を《商周列国全传》、《武王伐纣外史》、《封神传》とも呼ばれる神魔小说だと書かれています。
《封神演义》とは、商または殷(いん)という王朝が、紀元前17世紀頃から 紀元前10世紀ころに存在するのですが、最後の君主である纣zhòuが、周という国の武王に伐fáされる顛末を描いた小説です。武王および武王のパパ文王の軍師が太公望(姜子牙)です。
纣王がなぜ破滅への道を歩むのかというと、“女媧”廟の祭祀において、纣王は“女媧”という美女を自分のものにしたいという詩を詠んで、“女媧”を激怒させてしまうからです。また、纣王をどんどん堕落させる悪女が妲己dájǐ(百度百科 日本語ウィキペディア)です。
纣王は、妲己のために日夜宴会を開いて、酒を飲んで肉を食います。司馬遷が《史記》で、これを“以酒为池,悬肉为林”と書いているため“酒池肉林”という成語が生まれます。
また、纣王は胎児が成長する過程を実際に観察するため、妊婦の腹をさばいたそうです。ジル・ド・レーよりはるか昔に、解剖学のすきな変態がここにもいたわけです。
ヨガの修業をしながら清朝時代の中国の腹さばきの刑の写真を見て絶頂に達する哲学者バタイユですが、バタイユが纣王のことを知っていれば、バタイユにとって纣王もアイドルの一人であったかもしれません。
バタイユは、“サドを特権化してはいけない”みたいなことをよく言うわけです。これは、たとえば中国における残酷な刑罰のあれこれとか、そんなことをふまえての発言のように思います。
ところで、いったい“封神”とはなんなのでしょうか。
百度百科で《仙剑奇侠传三》の登場人物紹介を書いている人は、各登場人物をジャンル分けしています。
一番上に位置するのが、天帝が支配する天界に住むたとえば飞蓬(神)です。系列が違うのですが、女娲の后人である紫萱と圣姑も(神)です。
その下に位置するのが(仙)で、仙人たちです。じゃがいもの花楹も(仙)となっています。
そして、この世に住んでいるのが景天とか雪见である(人)と、万玉枝などの(妖)です。
あと、位置づけが難しいかもしれませんが(鬼)たちも、この世に存在するということにしていいように思います。(鬼)とは、日本における地獄に住む鬼ではなく、日本人のことです--というのは嘘ではありませんが、ここでは亡霊などのことです。聂小倩ちゃんが代表ですね。《仙剑3》では、龙葵とか火鬼王が(鬼)です。
そして、日本において地獄に住む鬼--つまり重楼みたいな化け物が(魔)です。
(神)
(仙)
(人)(妖)(鬼)
(魔)
つまり、4階層6ジャンルの存在が存在することになります。(鬼)は、その上や下に置いておいてもいいかもしれません。
こういうあれこれな存在が、あちこち飛び回って大騒動を繰り広げるのが、中国ファンタジーのパターンということになります。
《封神榜》における姜子牙は、(仙)です。女娲が怒ったため、殷と周の戦争がはじまり、多くのヒーローやヒロインたちが死ぬことが予想されます。この戦いを周が必ずや勝利するように導き、さらには敵味方関係なく功績のあったものたちを神にする(神として封じる)のが姜子牙に下された任務なのです。
“榜bǎng”というのは、“表彰者や合格者などの名簿・掲示板”のことで、“封神榜”とは、神として封じる者たちの名簿・掲示板ということになるようです。
“金榜jīnbǎng”という言葉があります。科挙における殿试diànshì(百度百科 日本語ウィキペディア)合格者の名簿のことで、“金榜题名”で殿試に合格するという意味になるそうです。
金榜は現在でも“中国流行音乐金榜” “中国企业金榜”のように使われたり、企業やサイトの名前などにも使われるようです。
《ラベル<女娲/穿越>に属するブログ--目次》
1 寻秦记
2 仙剑奇侠传(1) 刘亦菲饰女娲
3 仙剑奇侠传(2) ストーリー
4 仙剑奇侠传(3) 歌曲など
5 仙剑奇侠传三(1) “哈哈哈”
6 仙剑奇侠传三(2) キャラクタとストーリー
7 仙剑奇侠传三(3) 歌曲など
8 封神榜1 《封神演义》
9 封神榜2 テレビドラマ 《封神榜》 2006 2009
10 灵珠(1) 女娲+穿越
11 灵珠(2) キャラクタとストーリー
12 灵珠(3) 歌曲など
13 步步惊心--刘诗诗はブスである
14 《宫2》 2012年1月20日放映スタート!
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