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周末情人(デッド・エンド 最後の恋人) 1993
を撮った娄烨(ロウ・イエ)が、世界的に注目されることになったのが
苏州河(ふたりの人魚) 2000
でしょう。ぼくは 《苏州河》 がとても好きです。このブログを書き始めたのも、実のところ 《苏州河》 について、なにごとかを書きたかったからでした。
なのですが、ずっと何を書いていいのかわからず、ずっと放ったらかしにしていました。こうして、いざ何か書こうとしても、何を書いていいのかわかりません。
だから、ぼくはこの映画がとっても好きです -- とだけ書いておけば、それでいいように思います。
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周末情人(デッド・エンド 最後の恋人) 1993|《苏州河》 马达(贾宏声)のその後
危情少女(危情少女 嵐嵐) 1994|娄烨の “おさげ少女シリーズ” スタート!
苏州河(ふたりの人魚) 2000|聡明な蓉儿を演じられたのは周迅だけである
紫蝴蝶(パープル・バタフライ) 2003|《苏州河》 から 《推拿》 までの距離、あるいはテロの時代
颐和园(天安門、恋人たち) 2006|娄烨は肩を並べて顔を寄せ合う男と女のカットが好きである
春风沉醉的夜晚(スプリング・フィーバー) 2009|娄烨が封印したトキメキ感が復活する予感
花(パリ、ただよう花) 2011|できごとはどしゃ降りの雨の中で起こる
浮城谜事(二重生活) 2012|”おさげ少女” の半分復活、あるいは新生 娄烨のすてきなカット
推拿 2014|目をつむって娄烨の “見えない映画” を見る
推拿 2014|新浪娱乐インタビュー : “娄烨 《推拿》 について語る”
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《周末情人》 で刑務所から帰ってくる贾宏声(ジア・ホンシャン)が、なぜ、この映画でも再び刑務所から帰ってくるのか? そんなこんなについては
周末情人 1993|《苏州河》 马达(贾宏声)のその後
を見てください。贾宏声の顔が見たくなったら、ぼくたちはこの 《苏州河》 を見ればいいわけです。
あるいは、《周末情人》 の李欣(リィ・シン)はふたりの男にはさまれるわけですが、李欣がふたりの女に分裂した(牡丹[ムウダン]と美美[めいめい])のがこの映画であるとか、そんなことを書いても特に意味はないように思います。
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ならば、耐安について語ってみるのはどうでしょうか。この映画から、耐安は娄烨映画のプロデューサーとして本格的に登場します。
耐安は、《周末情人》 では拉拉が参加することになるバンドのリーダーの奥さんであり、《危情少女》 1994 では危情少女のパパに操られる看護婦さんでした。
この映画での耐安が誰かというと、马达の元彼女である萧红です。萧红が登場する際、娄烨は “萧红が马达の元彼女だったかもしれない” あるいは “元彼女だったら面白いかも” みたいなことを語らせます。
当時、耐安は娄烨の最もよき理解者だったはずです。で、実際に娄烨と耐安がかつての恋人同士であったとすれば、それはそれで面白い想像のように思います。では、娄烨の奥さんって誰でしょう。そのうち、語るべきときもあるように思います。
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アップリンクが発売している(していた?)この映画のDVDのおまけ映像で、“この映画でどんなカットにもっとも力を入れましたか?” みたいな質問をされた娄烨が、“すべてのカットが渾身のカットだ”みたいに答えるところがあります。ぼくたちは、そんな言葉を真に受けて、この映画を何度でも見たいと思います。
いまさら、ぼくたちが周迅に注目する理由はないでしょう。周迅はどんどん大女優となり、やっとこさ去年(2014年)結婚しました。大女優ではあるわけですが、この 《苏州河》 以外には、特にこれといった映画の代表作はありません。
それはそうなのですが、テレビドラマ
射雕英雄传 2003
は、日本の武侠ファンにもおなじみでしょう。このドラマの周迅=黄蓉は、金庸本人も認めているように、唯一、頭の良い黄蓉を演じました。
Suzhou River 蘇州河
SUZHOU RIVER - Balcony scene
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