2013年6月5日水曜日

神雕侠侣1995 -- 古天乐=杨过の最強版!


金庸の武侠小説とか、《神雕侠侣》 あるいは 《射雕英雄传》 がなんなのかなどについては、あれこれ書きません。また、ぼくは金庸の小説を中国語でも日本語でも読んだことはありません。


今年(2013年)の2月、于正版の 《新笑傲江湖》 が放映され、大きな話題を集めると同時に、あまりに大胆な改編ぶりに大きな波紋も呼びました。

来年(2014年)には、于正版 《新神雕侠侣》 が放映される予定です。まだ、詳しい情報はないのですが、《新笑傲江湖》で林平之を演じた陈晓が杨过を演じます。問題は誰が小龙女を演じるかなのですが、今のところ赵丽颖が一番の候補のようです。

于正は 《神雕侠侣》 おたくであることを公言していて、だからこそ 《新笑傲江湖》 ほどの改編はできないとは言っています。とはいえ、一般的な 《神雕侠侣》 にはならないでしょう。

于正版 《新神雕侠侣》 が放映される時のために備えて、黄晓明+刘亦菲の 《神雕侠侣》 2006 以外の《新神雕侠侣》を見ておくのもいいでしょう。


中国では、刘德华(アンディ・ラウ)+陈玉莲 1983年版と古天乐(ルイス・クー)+李若彤 の1995年版は、今でも根強い人気があります。

刘德华も古天乐も、本格的なデビューをして間もないころ 《神雕侠侣》 で杨过を演じて、それが大きな評判となってスター街道を歩むことになります。

《神雕侠侣》 はストーリーがストーリーだけに女性ファンも多く、このため若き刘德华と古天乐が演じた杨过は、今でも人気があるのでしょう。

じゃあ、黄晓明刘亦菲の2006年版は人気がないのかというと、そういうことではなくて、これが好きな人たちとは、刘亦菲ファンの男の子たちということになると思います。


数ある 《神雕侠侣》 のなかで、最も評価の高いのが古天乐 1995年版です。于正は見るに値する 《神雕侠侣》 は、刘德华版や黄晓明版ではなく古天乐版であると言っています。

神雕侠侣》 1995年 香港

特筆すべきは、古天乐の杨过がとてもきれいだということです。今の古天乐は浅黒いにやけたおっさんという感じですが、この古天乐は真っ白なのです。

白いのはメイクなのでしょうが、それにしてもきれいなのです。放映当時、中国語圏の女性たちを熱くし、さらにはこのドラマが今でも人気がある理由がよくわかります。

ショッキングなシーンも、いくつかあります。はじめのほうで、黄药师が、李莫愁から双儿と英儿を救おうとするのは、ご存じのことと思います。しかし、双儿は李莫愁に奪われてしまいます。

黄药师は横笛を吹いて登場して、李莫愁の鼓膜をかき乱します。どんなメロディかというと、アラブのスネークダンスというかベリーダンスみたいなやつで、李莫愁はアラブ女性がくねくねと踊る幻影に苦しめられます。

丐帮の新盟主を決める大会に、金轮法王と霍都、达尔巴が乗り込んできます。洪七公と欧阳锋に彼らの技のすべての口诀を授けられた杨过は、移魂大法で达尔巴をやっつけます。この移魂大法の映像もかなりショッキングでした。

ぼくは移魂大法というのは、刘镇伟が 《大话西游》 ででっちあげた技だと思っていたのですが、九阴真经の中の技の1つだったわけですね。

決定打というべきなのが、神雕の造形です。なんとこの神雕は、《东成西就(大英雄)》 1993 の鳥の化け物にそっくりです。というか、そのままと言ってもいいでしょう。

そう。《东成西就》 に出てくる鳥の化け物は神雕なのです。なんでかというと、監督の刘镇伟が 《神雕侠侣》 おたくだからです。もちろん、冒頭で映画の説明をする金の彫像の鳥も神雕です。

《东成西就》 の着ぐるみをもらってきたのか?--などと言いたくなります。杨过といっしょにドタドタと道端を歩く神雕を見ていると、とてもこいつが空を飛べるようには思えません。

いったいこいつが飛べるのかどうか? 実際に見て笑ってください。刘德华版でも黄晓明版でも、神雕は飛ぶのですが、ただし、原作では飛べないようです。

《东成西就》 における鳥の化け物が 《神雕侠侣》 の神雕だとしたら、あのゴリラというかサルはなんなんでしょう。もちろん、《倚天屠龙记》 の猿でしょう。


あと、ショッキングというわけではないのですが、このドラマには馬は出てきません。

香港のテレビドラマというのはちゃちなセットのなかで、吉本の集団コントみたいなのが展開するのが正道です。このドラマもそれはそうなのですが、武術大会や戦闘シーンでは、それなりの人数を用意してスケール感を出す努力をしています。

そのへんにお金を使ってしまったため、馬は使えなかったのかもしれません。というか昔の香港映画やテレビドラマって、馬はあまり出てこないのです。杨过も小龙女も、襄儿や金轮法王も歩いて移動します。その結果、神雕も杨过といっしょにドタドタと歩きます。

もちろん、一般的な 《神雕侠侣》 として笑うこともできるようになっています。全部で32集なので展開を急がないといけないため、いらいらさせられるシーンが少ないのもいいところかもしれません。

ただし、黄晓明+刘亦菲の2006年版では、李莫愁と陆展元の関係があまり語られませんでしたが、このドラマではその辺の事情はわりと詳しく描かれています。


最後に主だった 《神雕侠侣》 をまとめておきましょう。

谢贤+南红 映画 1960-1961年香港(全4作)
罗乐林+李通明 ドラマ 1976年香港
刘德华+陈玉莲 ドラマ 1983年香港
孟飞+潘迎紫 ドラマ 1984年台湾
古天乐+李若彤 ドラマ 1995年香港
任贤齐+吴倩莲 ドラマ 1998年台湾
李铭顺+范文芳 ドラマ 1998年シンガポール
黄晓明+刘亦菲 ドラマ 2006年大陸

傅声という役者が杨过を演じている映画(1982年 香港)もあるそうですが、この映画には小龙女は登場しないそうです。

あと、日本+香港のアニメシリーズもあります。日本語タイトルは 《神鵰侠侶 コンドルヒーロー》 だそうです。

また、杨过+小龙女の物語ではないものの

九一神雕侠侣 1991
九二神雕侠侣之痴心情长剑 1992
黑玫瑰义结金兰 1997

といった映画も、《神雕侠侣》 ものと言っていいでしょう。《九一神雕侠侣》 はシナリオが王家卫+刘镇伟という豪華版なのですが、《九二神雕侠侣》 は強烈な作品で、アンディ・ラウファンは必見です。

また、刘镇伟の 《黑玫瑰义结金兰》 は、黑玫瑰だったはずが、だんだんと 《神雕侠侣》 になってしまう物語でした。

黑玫瑰》 と言えば谢贤+南红の映画なわけですが、この二人は60年代の香港で数多くの映画に主演しています。その中に 《神雕侠侣》 もあるわけで、《神雕侠侣》 おたくの刘镇伟がなんで 《黑玫瑰》 おたくでもあるのかがわかるような気がします。

金曲重溫: 周華健、齊豫 神 話、情 話! 1995


神雕侠侣归去来


神雕侠侣绝迹江湖 16年 重逢 李若彤 《讲述飞机上重遇16年未见的古天乐》片段

0 件のコメント:

コメントを投稿