2012年4月4日水曜日

甄嬛传(宮廷の諍い女) 2011|第16集~第20集|浣碧の迷走


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ラベル“甄嬛传” 11

第15集-第20集は、特に大きなヤマ場はないものの、甄嬛と华妃の根深い闘いがあれこれ進行していきます。

・ 安陵容の出世と病気
・ 曹贵人の娘・温宜公主事件
・ 浣碧の迷走
・ 復活した华妃は思うようにポイントを稼げない
・ 甄嬛は着々とポイントを重ねているように見える
・ 甄嬛と果郡王の接近
・ 年羹尧の帰還とおごり

主なストーリーは、华妃による曹贵人の娘・温宜にかこつけた甄嬛の追い落とし作戦と、これに対する甄嬛の巻き返しです。

华妃はなんとか復権したものの、なかなか元の地位を回復するにはいたりません。

一方、甄嬛は、かつてはお化け作戦などという稚拙な作戦を使いましたが、対华妃作戦はだんだんと緻密で周到なものになっていきます。
そして、この一連の流れのなかで、甄嬛の侍女であり、実は甄嬛の同父異母である妹--浣碧がクローズアップされることになります。

浣碧は亡き母を供養するため、後宮では禁止されている“烧纸钱(死者を供養するために、死者が死後の世界で使うための紙銭を燃やすこと)”しているところを、曹贵人に見られてしまったのが、間違った道を踏み出すきっかけになってしまったのでした。

とりあえずは、甄嬛は浣碧の罪を追及しないのですが、この問題は後々をあれこれ問題を引き起こすような気配です。

そんなわけで、第15集-第20集では、ストーリーの大きな流れをつかむよりは、あれこれな細部を楽しんだほうがいいように思います。

甄嬛 の 陵容への嫉妬
たとえば--甄嬛は自分で、陵容の存在を皇帝に注目させるための手伝いをするのですが、計画通り皇帝が陵容を気に入ってしまうと、けっこう嫉妬します。

陵容が皇帝の気を引くために唄う歌は 《金缕衣》 という歌で、これは唐時代に流行した歌詞だそうです。

劝君莫惜金缕衣,
劝君惜取少年时。
花开堪折直须折,
莫待无花空折枝。

皇帝が华妃と夜を過ごしていると、大きな雷が鳴り、甄嬛が雷を怖がることを知っている皇帝は、こっそりと甄嬛のもとに駆けつけてしまいます。この出来ごとは、华妃に“杀了她(甄嬛)”と言わしめます。

甄嬛は雷も苦手なのですが、猫も苦手なことが判明するシーンもあります。皇后と甄嬛がお話ししているとき、皇后がペットの猫を抱くと、甄嬛はとっても怖がってしまいます。これは、なにかの伏線であるかもしれません。

螺子黛
皇帝は後宮の勢力争いを嘆きつつも、ついつい甄嬛にあれこれ特別なプレゼントをします。それは螺子黛(マスカラ)とか、蜀锦(四川省特産伝統絹織物)制の靴(花盆底鞋)とか、あるいは同心结(永遠の愛を誓うお守り)などで、そのたびに华妃はキーキーします。


同心结
华妃は、得点稼ぎのために曹贵人の娘・温宜の面倒を見ようとするのですが、华妃に赤ん坊の面倒なんて見られるわけもなく、そんなシーンも笑わせてくれます。

皇后が、皇后をやってるのもつらいのよみたいなことを、ベテランな宮女剪秋にもらして、だからこそ、皇后は無常を感じて仏教に傾いているみたいなエピソードもありました。

これまでは、後宮のまとめ役をそつなく勤めているように見える皇后なのですが、いずれ皇后と甄嬛は本気で戦うことになるのでしょうか?

甄嬛と果郡王の接近も、微妙に語られます。まず、果郡王は自分のママが不幸をかこっていることを嘆き、甄嬛は果郡王に対してちょっと好意を持ちます。

次の甄嬛と果郡王の出会いは、まさに少女マンガみたいに展開します。あのお正月の雪の日、果郡王は、小允子が切った剪纸を、こっそりと大切にしまっておいたのでした。

甄嬛は、果郡王の愛を理解しつつも、自分の立場も守らなければなりません。

西域の反乱を平定した年羹尧は帰還して、ある日、皇帝と华妃といっしょに食事をするのですが、年羹尧の態度は皇帝に対してあまりに横柄です。

华妃はそんな年羹尧の態度をいましめつつも、甄嬛に闘いをしかけていきます。

年羹尧(兄)と华妃(妹)
ぼくは《宮》を見ていたとき、年羹尧について調べてしまったので、彼の運命を知っています。その運命が、このドラマの中でどんなふうに展開していくのか、これ以降楽しみのひとつだと思います。

息詰まる展開が多くなっていくなか、甄嬛の侍女流朱と安陵容の侍女宝鹃は、美女ではないのですが、見る者の気持ちをなんだかんだなごませてくれると思います。


ラベル《甄嬛传》 --目次

 1 后宫・甄嬛传 2011(1)--最後の孙俪(スン・リー)
 2 后宫・甄嬛传 2011(2) --登場人物と役者
 3 后宫・甄嬛传 2011(3) --清朝後宮のしくみ
 4 后宫・甄嬛传 2011(4) --孙俪传(スン・リー伝)
 5 后宫・甄嬛传 2011(5) --名セリフ集1
 6 后宫・甄嬛传 2011(6) --名セリフ集2
 7 后宫・甄嬛传 2011(7) --名セリフ集3
 8 甄嬛传 第1集-第5集 --甄嬛の病気
 9 甄嬛传 第6集~第10集 --闘いのはじまり
10  甄嬛传 第11集~第15集 --華妃の斜陽と復活
11  甄嬛传 第16集~第20集 --浣碧の迷走
12 甄嬛传 第21集~第25集 --安陵容の憂鬱
13 甄嬛传 第26集~第30集 --“腹黑女”は日本語
14 甄嬛传 第31集~第35集 --仮面(差異と反復)
15 甄嬛传 第36集~第40集 --皇帝と甄嬛の陰謀
16 甄嬛传 第41集~第45集 --あっぱれ、流朱の死
17 甄嬛传 第46集~第50集 --戻ってきた笑顔
18 甄嬛传 第51集~第55集 --回宫(後宮再び)
19 甄嬛传 第56集~第60集 --小競り合いの応酬
20 甄嬛传 第61集~第65集 --二人のじゃじゃ馬
21 甄嬛传 第66集~第76集 --皇后,杀了皇后

甄嬛传(宮廷の諍い女) 2011|第21集~第25集|安陵容の憂鬱


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ラベル“甄嬛传” 12

この5話では、いよいよ後宮に大きな波乱が巻き起こっていくことを予感させる数々の事件が起きます。

・ 天然娘淳常在の活躍
・ 安陵容の憂鬱
・ 华妃のやりたい放題と危機
・ 富察贵人の懐妊
・ 眉庄の解放と変節

甄嬛が入宮してからの二度目の冬、 碎玉軒で皇帝と甄嬛が遊んでいるところに、甄嬛を姐姐と信奉する脳天気な天然娘・淳常在がやってきます。

淳常在はまだ子供だということで、皇帝は今まで手出ししなかったのですが、淳常在は「わたしだって、もう17よ」と言います。この出会いによって、淳常在は正式な皇帝の嫔妃(后妃)となります。

淳常在の無邪気は、あちこちで後宮のみんなや、ドラマを見る者の気持ちをなごませてくれます。

しかし、淳常在の天然とは裏腹に甄嬛と华妃の闘いを中心とした、あれこれな確執や陰謀が繰り広げられます。

华妃は、後宮管理補佐(六宫协理)を解任されてはいるものの、兄である大将軍年羹尧が帰還したことで、これまでにもましてやりたい放題です。

お芝居観賞会でも、宦官が皇后に渡そうとしたパンフレットを、横から奪ってしまう始末です。

かわいそうなのは眉庄です。华妃のたくらみによって、池に突き落とされ死にそうになったり、妊娠でっちあげ事件によって幽閉されたりしてきたわけですが、华妃はさらに追い打ちをかけます。

この冬、伝染病がはやるのですが、华妃は、感染者が使っていた茶器を眉庄に届け、眉庄はこれによって感染し、意識不明の重体に陥ってしまいます。甄嬛は、温实初に眉庄の病気を治してねとお願いします。

しかし、眉庄にはようやく朗報がもたらされるのですが、ただし……。

安陵容と甄嬛は、龍の刺繍入りのパジャマを皇帝にプレゼントします。しかし、淳常在が、皇帝は甄嬛の作ったパジャマばかり着ていて、安陵容のパジャマはちっとも着ていないことを、悪気はないのですが暴露してしまいます。

そんなあれこれがあって、安陵容の甄嬛に対する気持ちは憎悪とか敵対心とか、そんなものに変化していきます。そして、安陵容は皇后と接近していくのですが、これがどんな展開になるのか、これからのお楽しみです。

この5話でのクライマックスは、第25集でやってきます。それは、富察贵人の妊娠に端を発したできごとなのですが、これをきっかけに実は华妃は……とか、安陵容はいったい誰と……とか、なんと甄嬛が……とか、あれこれ楽しめる5話だと思います。



ラベル《甄嬛传》 --目次

 1 后宫・甄嬛传 2011(1)--最後の孙俪(スン・リー)
 2 后宫・甄嬛传 2011(2) --登場人物と役者
 3 后宫・甄嬛传 2011(3) --清朝後宮のしくみ
 4 后宫・甄嬛传 2011(4) --孙俪传(スン・リー伝)
 5 后宫・甄嬛传 2011(5) --名セリフ集1
 6 后宫・甄嬛传 2011(6) --名セリフ集2
 7 后宫・甄嬛传 2011(7) --名セリフ集3
 8 甄嬛传 第1集-第5集 --甄嬛の病気
 9 甄嬛传 第6集~第10集 --闘いのはじまり
10  甄嬛传 第11集~第15集 --華妃の斜陽と復活
11  甄嬛传 第16集~第20集 --浣碧の迷走
12 甄嬛传 第21集~第25集 --安陵容の憂鬱
13 甄嬛传 第26集~第30集 --“腹黑女”は日本語
14 甄嬛传 第31集~第35集 --仮面(差異と反復)
15 甄嬛传 第36集~第40集 --皇帝と甄嬛の陰謀
16 甄嬛传 第41集~第45集 --あっぱれ、流朱の死
17 甄嬛传 第46集~第50集 --戻ってきた笑顔
18 甄嬛传 第51集~第55集 --回宫(後宮再び)
19 甄嬛传 第56集~第60集 --小競り合いの応酬
20 甄嬛传 第61集~第65集 --二人のじゃじゃ馬
21 甄嬛传 第66集~第76集 --皇后,杀了皇后

甄嬛传(宮廷の諍い女) 2011|第26集~第30集|ルサンチマン

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ラベル“甄嬛传” 13

華妃を演じている蒋欣(ジアン・シン)は、日本の中国テレビドラマファンにとって、最もなじみ深いのは 《天龙八部》 2003 の木婉清でしょう。

この子も段誉のパパがパパであって、兄妹であるがため、段誉とは結婚できないことが判明する最初の女の子です。

蒋欣は、新疆ウイグル・ウルムチ(新疆乌鲁木齐)出身、1983年生まれの80後な女優です。この子は 《仙剑奇侠传》でも脇役で出ていました。

《后宫·甄嬛传》 を見始めたときは  《天龙八部》  より、ずいぶんブスになってしまったと思いました。でも、 《后宫·甄嬛传》 の側室たちは、髪をまるごと上げているため、顏そのものがまる見えなのです。

このため誰もが、顏の欠点を髪型でカバーすることはできません。《后宫·甄嬛传》の後妃たちがみんなブスに見えてしまうというか、ブスがあからさまになってしまうのはこのためです。

もちろん、我らが孙俪(スン・リー)だけは、髪をあげても美女です。

蒋欣が演じる華妃の憎々しさは、ほめてあげていいと思います。蒋欣が、华妃を演じていた日々は、とても充実していたことでしょう。美女(でもないのです)が悪女を演じるのは、とても楽しいことでしょう。

第29集では、华妃の甄嬛いじめが頂点に達します。あまりに過酷なこのシーンは、見る者の涙を誘います。

しかし、中国後宮の歴史においては、もっと凄惨な仕打ちだってあります。

中国では、チンピラというかヤクザみたいなやからが皇帝の座を獲得するのも珍しくないというか、それこそ中国の歴史であるわけですが、その最初が漢帝国の始祖=刘邦(高祖)です。

高祖が死んで、高祖の皇后である吕后(呂雉)のひとり息子が惠帝になり、吕后は当然太后になります。しかし、惠帝はまだ16-17歳の少年であって、やさしいというか気弱なため政権は安定しません。このため、吕后は次々と高祖の妾とその息子たちを殺害していきます。

--しかし、吕后の嫉妬心はすさまじく、まず趙王如意を毒殺し、ついでその母の戚夫人の手足を断ち、耳目をつぶして唖とし、これを厠(かわや)の中に投げ入れて人彘(rénzhì|じんてい|人豚)とよんだ。母の殺意を知った恵帝は、趙王如意と起居を共にし、陰に陽に暗殺の危険からこれを守ったが、わずかの隙に趙王は毒殺されたという。また恵帝は人彘とされた戚夫人を見て、驚愕悲嘆し、以後政治を顧みることなく、淫楽に身をゆだねて病を発し、即位後7年、二十三歳で子なくして死去した。
--「秦漢帝国」(西嶋定生著、講談社学術文庫)より

その後、おおざっぱに100年後、吕后の戚夫人に対する仕打ちと同様なことをしたのが武则天(則天武后)です。

武则天の娘=太平公主(タイピンゴンジュウ)も、複雑な運命をたどります。今年(2012年)の3月末から 《太平公主秘史》 というテレビドラマが放映されました。

《太平公主秘史》 で太平公主を演じているのが郑爽(ジャン・シュアン)です。ぼくは 《太平公主秘史》 を見始めようと思っていたのです。郑爽は、《画壁》 2011 において、90後な女優としてとっても可愛かったからです。

《太平公主秘史》郑爽
ところが 《后宫・甄嬛传》が見られるようになってしまったため、今こうして孙俪の《后宫・甄嬛传》を見ているわけです。

80後な三大女優は、 孙俪(スン・リー) ・杨幂・刘亦菲(リウ・イーフェイ)に固定していいように思います。そして、とりあえずですが、90後な郑爽を、打倒! 孙俪・杨幂・刘亦菲の一番手に数えておきたいと思います。

この第26集から第30集は、言語がわからなくても、絵だけ見ていればおおよそのストーリーは把握できるように思います。淳儿の死はかわいそうなわけですが、安陵容の暗躍はいったい誰の手引きなのかというのが最大の謎です。

なお、子供を身ごもった甄嬛=莞贵人は、第25集か第26集あたりで、莞“嫔”に昇格しています。

皇帝は、その代わり、華妃に気を使って、彼女を昇格してあげると約束します。華妃は、自分が后妃(妃嫔)の最高位、たった一人しか席のない“皇貴妃”になれるものと思い込み、皇后に対してさらに大胆な態度を取ります。しかし、皇帝は華妃を“貴妃”にするに止めるのでした。

ラベル《甄嬛传》 --目次

 1 后宫・甄嬛传 2011(1)--最後の孙俪(スン・リー)
 2 后宫・甄嬛传 2011(2) --登場人物と役者
 3 后宫・甄嬛传 2011(3) --清朝後宮のしくみ
 4 后宫・甄嬛传 2011(4) --孙俪传(スン・リー伝)
 5 后宫・甄嬛传 2011(5) --名セリフ集1
 6 后宫・甄嬛传 2011(6) --名セリフ集2
 7 后宫・甄嬛传 2011(7) --名セリフ集3
 8 甄嬛传 第1集-第5集 --甄嬛の病気
 9 甄嬛传 第6集~第10集 --闘いのはじまり
10  甄嬛传 第11集~第15集 --華妃の斜陽と復活
11  甄嬛传 第16集~第20集 --浣碧の迷走
12 甄嬛传 第21集~第25集 --安陵容の憂鬱
13 甄嬛传 第26集~第30集 --“腹黑女”は日本語
14 甄嬛传 第31集~第35集 --仮面(差異と反復)
15 甄嬛传 第36集~第40集 --皇帝と甄嬛の陰謀
16 甄嬛传 第41集~第45集 --あっぱれ、流朱の死
17 甄嬛传 第46集~第50集 --戻ってきた笑顔
18 甄嬛传 第51集~第55集 --回宫(後宮再び)
19 甄嬛传 第56集~第60集 --小競り合いの応酬
20 甄嬛传 第61集~第65集 --二人のじゃじゃ馬
21 甄嬛传 第66集~第76集 --皇后,杀了皇后

甄嬛传(宮廷の諍い女) 2011|第31集~第35集|仮面(差異と反復)


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ラベル“甄嬛传” 14

なんだかんだ言いながら、全76集の半分近くにたどりつきました。

雍正帝の在位は1722年12月27日 - 1735年10月8日で、たった13年くらいのことです。したがって、《甄嬛传》も13年くらいか、あるいは13+アルファくらいの年月の物語に思われます。

しかし、第35集にいたっても、雍正即位後、まだ3年目です。そろそろ物語が急展開していくのかもしれません。

これまでの甄嬛は、慎み深い天然の少女でした。これこそ孙俪ファンが彼女を形容するとき、“纯洁” “清纯” “清新纯粹”などと呼びたくなるイメージなのでしょう。単純に言えば、気持ちがまるごと言動に現れるということです。

だから、インタビューやトーク番組の孙俪は、特に美人ではないけれど、まあまあきれいな普通のおねえさんみたいに見えます。さて、実際の孙俪とは別に、ドラマの甄嬛は、いよいよ仮面をかぶります。

小産(流産)した甄嬛は、憔悴してしまいます。しかも、安陵容の暗躍で、皇帝に対して疑惑を抱いてしまいます。

しかし、眉庄の助言で、自分のためにも家族のためにも、後宮で生き抜いていかなくちゃいけないことを自覚します。

このとき、眉庄は甄嬛に冷宮の実態を見せます。ここで、ぼくたちは狂った丽嫔に久しぶりに会えます。

こうして、甄嬛は、ついに仮面をかぶることを決意します。でも、それはまだ、薄絹のヴェールで作られたような、本物の顔が透けて見えてしまうようなヤワな仮面にすぎません。

皇后の、華妃と甄嬛を失寵させて、皇帝に子飼いの安陵容を寵愛させる作戦はだいたい成功したわけですが、甄嬛の反撃がはじまります。

甄嬛は皇帝を誘惑するため、真冬に蝶を集めさせる作戦に出ます。

再び皇帝の寵愛を獲得した甄嬛は、皇帝と安陵容と同席しているとき、皇帝にじゃれあうのを安陵容に見せつけながら、“あら、安陵容が嫉妬してるみたいだわ”とまで言います。

甄嬛が失寵していた時期、齐妃と富察贵人に屈辱を受けるのですが、復活した甄嬛は富察贵人と曹贵人を前にして、漢帝国の始祖・高祖の妻である吕后のエピソードを語って脅し、富察贵人を恐怖で震撼させます(吕后については、《甄嬛传 第26集~第30集 -ルサンチマン》参照)。さらには、曹贵人から年羹尧と敦亲王(汝南王)一派の不正も聞き出します。

ついには、富察贵人は恐怖で狂ってしまいす。これで甄嬛は、二人の後妃を発狂させたことになります。

敦亲王の文官投打事件については、甄嬛たち後宮のメンバーとか皇帝のセリフだけで語られるため、わかりずらいのですが、甄嬛は、華妃というよりも年羹尧に闘いを挑んでいくのかもしれません。

あと、眉庄の温实初に対する恋心にも注目しておきたいと思います。皇帝の寵愛をあきらめた眉庄は、太后に近づいて生きる道を探します。

なお、果郡王が甄嬛を慰めるために笛を吹く曲は、《长相思》です。《长相思》というタイトルの詩は多くの詩人が詩作しているみたいですが、これは、李白の《长相思》に曲がついたもののようです。

《长相思》 李白

长相思,在长安。
络纬秋啼金井阑,微霜凄凄簟色寒。
孤灯不明思欲绝,卷帷望月空长叹。
美人如花隔云端。
上有青冥之长天,下有渌水之波澜。
天长地远魂飞苦,梦魂不到关山难。
长相思,摧心肝。


ラベル《甄嬛传》 --目次

 1 后宫・甄嬛传 2011(1)--最後の孙俪(スン・リー)
 2 后宫・甄嬛传 2011(2) --登場人物と役者
 3 后宫・甄嬛传 2011(3) --清朝後宮のしくみ
 4 后宫・甄嬛传 2011(4) --孙俪传(スン・リー伝)
 5 后宫・甄嬛传 2011(5) --名セリフ集1
 6 后宫・甄嬛传 2011(6) --名セリフ集2
 7 后宫・甄嬛传 2011(7) --名セリフ集3
 8 甄嬛传 第1集-第5集 --甄嬛の病気
 9 甄嬛传 第6集~第10集 --闘いのはじまり
10  甄嬛传 第11集~第15集 --華妃の斜陽と復活
11  甄嬛传 第16集~第20集 --浣碧の迷走
12 甄嬛传 第21集~第25集 --安陵容の憂鬱
13 甄嬛传 第26集~第30集 --“腹黑女”は日本語
14 甄嬛传 第31集~第35集 --仮面(差異と反復)
15 甄嬛传 第36集~第40集 --皇帝と甄嬛の陰謀
16 甄嬛传 第41集~第45集 --あっぱれ、流朱の死
17 甄嬛传 第46集~第50集 --戻ってきた笑顔
18 甄嬛传 第51集~第55集 --回宫(後宮再び)
19 甄嬛传 第56集~第60集 --小競り合いの応酬
20 甄嬛传 第61集~第65集 --二人のじゃじゃ馬
21 甄嬛传 第66集~第76集 --皇后,杀了皇后

甄嬛传(宮廷の諍い女) 2011|第36集~第40集|皇帝と甄嬛の陰謀

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ラベル“甄嬛传” 15

第36集 - 第40集では、皇帝と甄嬛がつるんだ、華妃の兄である年羹尧の追い落とし作戦が語られます。ここでも、ストーリーは、甄嬛を中心とした後宮のメンバーたちと皇帝の口から間接的に語られます。

物足りないと言えば物足りないのですが、半年の撮影で全76集を撮影したこのドラマに、緻密な演出を求めるのは無理というものです--などとドラマの作りに文句を言う前に、難問があります。

中国語に堪能ではないぼくたちにとって、映画やドラマを見るとき、言葉はわからなくても、絵で見ればわかる部分も多いわけです。しかし、セリフだけで語られてしまうと、ストーリーを追うのがやっかいになってしまうという問題です。

清朝の最盛期が康熙 - 雍正 - 乾隆とされているわけですが、雍正(世宗)については、あれこれな謎が語られたり、悪評も少なくないようです。

雍正については、2009年に開かれた展覧会の資料が参考になるかもしれません。

雍正--清世宗文物大展

雍正がインテリであると同時に芸(術)もよくたしなむという面は、テレビドラマ 《宮》 では、それなりに描かれていたと思います。

《甄嬛传》が、あまりに歴史を無視したストーリーであるということを指摘した文章を見たこともありますが、ドラマはドラマであって、歴史ではありません。

とはいえ、年羹尧が九十二の罪をもって、すべての職と地位を剥奪されるのは、このドラマにおいても雍正三年のこととして描かれていると思います。

たかが山賊が皇帝に成りあがったり、帝位争いのすえ皇帝になった皇帝には、背景には軍事力の把握があるわけです。

しかし、皇帝として権力のすべてを握ったとき、彼を支えてきた軍事力が邪魔になります。そんなわけで、中国の皇帝の多くは、ともに闘った将軍たちを抹殺します。

年羹尧も、そんな例のひとつなのでしょう。康熙であれば、はやばやと始末したのがオーバイです。

年羹尧が成敗されてしまえば、当然、ぼくたちを笑わせてくれた愛すべき华妃も失墜するわけです。これまでご苦労さまでしたと、お礼を言わなければなりません。

年羹尧事件に恐れをなした曹贵人は、皇后の前で、华妃の数々の悪事--甄嬛に疑惑がもたれれた曹贵人の娘・温宜公主への毒薬投与事件、沈眉庄のえせ妊娠事件、淳儿殺害事件などをしゃべってしまいます。

正直にあれこれを告白した曹贵人は、襄嫔に昇格します。

华妃お付きの宦官・周宁海も。华妃の悪行を認めてしまうため、华妃は一気に年答应へと格下げされます--それでも、彼女は、まだ生き延びてはいるのです。

この第36集~第40集における、ちょっと注目しておきたいエピソードをいくつか書いておきます。

华妃は、かつて妊娠して、流産したことがあったのですが、それは、年氏一族のさらなる隆盛を恐れた皇帝が、二度と妊娠できない毒薬を盛ったからなのでした。これを実行したのが病弱な端妃です。

华妃を重んじつつ年羹尧一派の追い落としを画策した甄嬛に、眉庄は疑惑をいだくわけですが、甄嬛の意図を理解した眉庄は、再びなかよしに戻ります。

あと、甄嬛に対する数々の謀略をしかけた安陵容のそれは、皇后と共謀したものであることも判明します。


ラベル《甄嬛传》 --目次

 1 后宫・甄嬛传 2011(1)--最後の孙俪(スン・リー)
 2 后宫・甄嬛传 2011(2) --登場人物と役者
 3 后宫・甄嬛传 2011(3) --清朝後宮のしくみ
 4 后宫・甄嬛传 2011(4) --孙俪传(スン・リー伝)
 5 后宫・甄嬛传 2011(5) --名セリフ集1
 6 后宫・甄嬛传 2011(6) --名セリフ集2
 7 后宫・甄嬛传 2011(7) --名セリフ集3
 8 甄嬛传 第1集-第5集 --甄嬛の病気
 9 甄嬛传 第6集~第10集 --闘いのはじまり
10  甄嬛传 第11集~第15集 --華妃の斜陽と復活
11  甄嬛传 第16集~第20集 --浣碧の迷走
12 甄嬛传 第21集~第25集 --安陵容の憂鬱
13 甄嬛传 第26集~第30集 --“腹黑女”は日本語
14 甄嬛传 第31集~第35集 --仮面(差異と反復)
15 甄嬛传 第36集~第40集 --皇帝と甄嬛の陰謀
16 甄嬛传 第41集~第45集 --あっぱれ、流朱の死
17 甄嬛传 第46集~第50集 --戻ってきた笑顔
18 甄嬛传 第51集~第55集 --回宫(後宮再び)
19 甄嬛传 第56集~第60集 --小競り合いの応酬
20 甄嬛传 第61集~第65集 --二人のじゃじゃ馬
21 甄嬛传 第66集~第76集 --皇后,杀了皇后


甄嬛传(宮廷の諍い女) 2011|第41集~第45集|あっぱれ、流朱の死

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ラベル“甄嬛传” 16

ぼくは、流朱がけっこう好きでした。美女ではなくても彼女の素直な言動は、軽くはない物語のなかで、ぼくたちの心をしばしばなごませてくれました。

しかし、流朱に死が訪れます。ぼくたちは、彼女のために素直に涙を流したいと思います。なんでこんなことになってしまったのかという事情には、あれこれな事情があるわけです。

甄嬛は、華妃(年答応)と最後の対決に臨みます。

甄嬛に恨み骨髄な年答応は冷宮にありながらも、なおも宦官に甄嬛を監視させています。甄嬛は、もう子供ではありません。眉庄とともに、碎玉轩に火をつけ、それを年答応の放った宦官のせいにします。

このとき、眉庄は手首に火傷を負ってしまいます。甄嬛は、猫にひっかかれたとき、安陵容にもらった薬を眉庄の火傷につけてあげるのですが、温实初はこの薬を怪しいとにらみます。

華妃(年答応)を始末した今、皇后にとって、あとは甄嬛を始末すればいいだけです。こうして、安陵容を手下にした、皇后のたくらみが明らかになっていきます。

さて、甄嬛たちの秀女选からもう3年たっているわけですが、皇帝は秀女选開催を拒みます。そんなわけで、皇后は秀女选なしで、お偉いさんたちのお嬢様たちのなかから4人を選んで妃嫔(后妃)として入宮させます。

そのひとりが祺贵人で、彼女のパパは甄嬛のパパの上司です。

たとえば、司馬遷の 《史記》 “列伝” とかを読むとよくわかるのですが、中国には“言ったもの勝ち” “やったもの勝ち”みたいな伝統があります。言説の理由付けがタイミングよくできさえすれば、誰かを簡単に失脚させることができるわけです。

そんなわけで、皇后の魔の爪は,、祺贵人のパパを利用して、甄嬛のパパに襲いかかり、さらには、甄嬛に止めの一撃を与えます--だったはずなのですが、甄嬛は懐妊していたおかげで、かろうじて生き延びます。

温实初は、安陵容が甄嬛にあげた薬は大量の麝香入りであって、これが甄嬛の小産(流産)の本当の原因だったことを突き止めます。

かつて、皇帝からもらった薬に麝香が入っているという安陵容の言葉によって、皇帝に疑惑を抱いた甄嬛ですが、ようやく皇后-安陵容こそ、最大の敵であることを自覚します……しかし。

この段の最大の山場は、皇后の甄嬛に対する止めの一撃です。ここで明らかになるのは、第1集のラストシーン、秀女选の場において、なぜ皇帝と太后が、甄嬛の顔を見て驚愕したのかという問題です。

甄嬛は、初代皇后(現皇后のおねえさん)である純元にそっくりだったのです。


ラベル《甄嬛传》 --目次

 1 后宫・甄嬛传 2011(1)--最後の孙俪(スン・リー)
 2 后宫・甄嬛传 2011(2) --登場人物と役者
 3 后宫・甄嬛传 2011(3) --清朝後宮のしくみ
 4 后宫・甄嬛传 2011(4) --孙俪传(スン・リー伝)
 5 后宫・甄嬛传 2011(5) --名セリフ集1
 6 后宫・甄嬛传 2011(6) --名セリフ集2
 7 后宫・甄嬛传 2011(7) --名セリフ集3
 8 甄嬛传 第1集-第5集 --甄嬛の病気
 9 甄嬛传 第6集~第10集 --闘いのはじまり
10  甄嬛传 第11集~第15集 --華妃の斜陽と復活
11  甄嬛传 第16集~第20集 --浣碧の迷走
12 甄嬛传 第21集~第25集 --安陵容の憂鬱
13 甄嬛传 第26集~第30集 --“腹黑女”は日本語
14 甄嬛传 第31集~第35集 --仮面(差異と反復)
15 甄嬛传 第36集~第40集 --皇帝と甄嬛の陰謀
16 甄嬛传 第41集~第45集 --あっぱれ、流朱の死
17 甄嬛传 第46集~第50集 --戻ってきた笑顔
18 甄嬛传 第51集~第55集 --回宫(後宮再び)
19 甄嬛传 第56集~第60集 --小競り合いの応酬
20 甄嬛传 第61集~第65集 --二人のじゃじゃ馬
21 甄嬛传 第66集~第76集 --皇后,杀了皇后