2012年11月19日月曜日

八星抱喜 2012 -- 甄子丹+古天乐+杨幂


今年(2012年)公開された杨幂が出ている映画で、ひとつ見落としているのがありました。

八星抱喜》 2012

この映画は、百度百科の冒頭で“贺岁喜剧电影”と紹介されています。お正月映画--わあ! なんてなつかしい響きでしょう。

と書いて、ぱっと思いついたお正月映画は、リアルタイムで見ているわけではありませんが、《初春狸御殿》 1959 でした。

スターがたくさん登場して、なんならミュージカル仕立てであってもいい、ぼくたちをハッピーにしてくれる映画--それがお正月映画でしょう。

この《八星抱喜》は、タイトルそのものが“八星”となっています。で、どんな“八星”なのかというと、こんな組み合わせになっています。

・ 李张:律师,陈思思的“便宜老爸”(黄百鸣)-陈思思:富家大小姐,为继承遗产选夫(杨幂
・ 谭冠荣:追求梦想的音乐发烧友(甄子丹)-宋秋波:唱歌跑调的老歌手(吴君如
・ 彭坚:建筑工人(古天乐)-Julie:摄影艺术家,追求艺术生涯(陈慧琳
・ 华一声:外形“难看”的作家,唤作自己有金城武的面容(杜汶泽)-谈笑:瞎子想要寻找恋爱感觉的一个单纯女孩(熊黛林



・ 李张(黄百鸣)::弁護士。陈思思の臨時パパ
・ 陈思思(杨幂):富豪の娘、遺産を受け継ぐために結婚しなければならない

・ 谭冠荣(甄子丹):売れない歌手
・ 宋秋波(吴君如):かつての歌手

・  彭坚(古天乐):建設労働者
・ Julie(陈慧琳):カメラマン

・  华一声(杜汶泽):ぶさいくな恋愛小説家。自称、顔は金城武
・ 谈笑(熊黛林):恋愛にあこがれる盲目の美少女

この4組のカップルが、どたばたのすえ、最後はハッピーになれるのかどうかがテーマとなります。

香港のテレビドラマというのは、現在でも存在します。そのことは、今年(2012年)の夏、《回到三国》というテレビドラマを見て確認しました。一方、現在では香港映画というのは存在しないと考えるべきであるようには思います。

ぼくたちはこのブログで、今年(2012年)、杨幂が出演した映画としてこんなのを見てきました。

春娇与志明
画皮Ⅱ
大武当之天地密码
hold住爱

あらま。どれもつまんねとケチをつける前に言うべきことは、どれも香港くさいということでしょう。なんでそうなのかというと、答えはとても簡単です。杨幂の彼氏が、香港の刘恺威だからです。

それがほんとうかどうかは知りません(中国に映画監督がいないだけかもしれません)。杨幂と刘恺威が、共演したのが《hold住爱》です。

周星驰がいなくなってしまった現在、香港のお笑い役者といえば古天乐が代表になってしまったのでしょうか。このへんの事情については、ぼくはまったく無知です。

このブログでは、古天乐が出ている映画は、《神奇侠侣》というのを見たように思います。ヒロインは、たしか吴君如でした。

あ。《倩女幽魂(チャイニーズゴーストストーリー) 2011 》にも、この人が出ていたかもしれません。あ。あと、見てはいませんが穿越もののテレビドラマにも出ていたような気がします。

《八星抱喜》について特筆すべきは、周星驰の穴を埋めるかのような怪演を演じているお笑いスター甄子丹でしょう。《东成西就 2011》では、こんなセリフがありました。

“司机大哥,开车别那么甄子丹,熊黛林一点就行了。”
(運転手さん。ドニー・イェンみたいな乱暴な運転はやめて。せめて、もうちょっと熊黛林くらいにして)

莫文蔚カレン・モク)のセリフです。もしかしたら、お笑いスター甄子丹って、けっこう有名なのかもしれません。

莫文蔚に引き合いにだされた熊黛林も,この映画に·出ています。

どんなおねえさんなのか、一度見てみたいと思っていたのですが、179センチもある背の高いおねえさんでした。この人は、整形疑惑もあるようです。

さらに特筆すべきは、お笑いスター甄子丹のお相手が吴君如であることです。

なんの予備知識もなしに、この映画を見ていて、ぼくは、いったいどこのおばさまが甄子丹のお相手をしているのか、途中までわかりませんでした。この映画の吴君如の造形は、賞賛するべきように思います。

甄子丹とおばさまは、のど自慢大会みたいなのに出ようとして、涙ぐましい努力をします。

で、このおばさまは、よくもまあ、こう言います。「あたし、もう20すぎなのよ!」ぼくは、笑いすぎて、死にそうになってしまいました。吴君如だからこそのセリフのように思います。だって、たとえば莫文蔚が言ったとしたら、ストレートなお笑いにはならないように思います。

このセリフは、50になったら役者は引退すると言っていた甄子丹が、50間近になってそれを撤回し「俺はまだ28だ」と語ったことに由来するようです。

実際のところ甄子丹は演技らしい演技をしているわけではないのですが、さすがの吴君如おばちゃまです。このシーンというか、このセリフがあるだけで、この映画は存在価値があると言っていいでしょう。

クライマックスでは、彼女のボリューム感が、ひときわ強調されているというか、自然とむきだしになってしまっていて、ひときわ笑えると思います。

ぼくが見た吴君如おばちゃまの映画で、一番好きなのは《尸家重地(オカルト・ブルース)》ですが、この《八星抱喜》も、彼女が出演した映画のなかの偉大なる経典のひとつに加えておく必要があるはずです。

杨幂だけが、一応は若いよねと言えるものの、あとはおっさん、おばさんばかりの映画ですが、お正月映画って、そんなものであっていいように思います。

《八星抱喜》製作花絮

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